お話 ページ17
あ「鳥丸〜ここ座ろう」
鳥「はい」
一緒に窓際の席に座った。何故かお互い喋らず黙々と食べていく。
あ「えっと…鳥丸?お話って何…?」
鳥「あ、はい…迅さんのことで…今日玉狛に帰ってきた時、泣いてたんです」
あ「え?」
鳥「今まで泣いた姿見たことないのですごいビックリしたんすけど」
あ「あの迅が…」
鳥「別れたって聞いたんすけどそれは事実で…?」
あ「うん…浮気してたんだ…迅」
鳥「それは無いと思いますけど…だってAさんのお誕生日にサプライズするって…」
あ「なにそれ…聞いてない」
鳥「…何か目的があって別れたんじゃないですか?」
あ「でも…国近ちゃん…と…してたんだよ…」
鳥「じゃあ確認取りましょう。出水先輩なら何か知ってるかも」
鳥丸が電話している間に私は食べ終わった食器を回収場所へ持って行った。
くるりと振り向くと、そこには忍田さんがいた。
あ「わっ!忍田さん?!」
忍「びっくりさせて悪かったね」
あ「いえ…それで今日はどうされたんですか?」
忍「いや…迅が会議に来ないと言っていてね…説得して貰いたくて」
あ「すみません。しばらく距離開けることになったので無理です」
忍「そこをなんとか…」
あ「無理ですよ!!」
忍「すごく大切なことなんだ」
あ「無理ですって」
忍「お願いだ…この通り」
あ「頭下げないでくださいよ!!」
忍「はぁ…こうなったら」
あ「え?っ?!」
忍田さんは私をいきなり抱きしめた。な、何?!
忍「頼む」
あ「こんな事止めて下さい…沢村さんに怒られますよ?」
忍「そうだな…でも大切な会議なんだ」
あ「はぁ…分かりました。来させますから待ってて下さい。あまり遅くならないようにしますから」
忍「ああ。お願いする」
そう言って忍田さんは私を離すと食堂を去った。
あ「はぁ…」
鳥「あ、食器ありがとうございます」
あ「いいよ…で、何て言ってた?」
鳥「国近さん自身、あれは演技っていってたみたいです」
あ「そう…」
鳥「大丈夫ですか?」
あ「まあ…あ、鳥丸。迅が会議に出席してないらしいんだけど…あいつ何処に居るか分かる?」
鳥「いや…分からないですね」
あ「必ず来て貰わなきゃならないみたいで…鳥丸連れてきてくれない?」
鳥「分かりました」
あ「お願いね…後で何かお礼するから」
鳥丸は嬉しそうに食堂を飛び出した。
あ「…迅の奴、嘘付いてるのかな」
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作者名:あかね色 | 作者ホームページ:http://id2.fm-p.jp/653/krbo/
作成日時:2015年7月28日 20時