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オタク特有の早口 ページ28










「 なら俺がAちゃんの魅力を永遠に言い続けるよ 」
「 ……え? 」

「 えーっと、何から言うべきかな……とにかくまずは性格、仕草、容姿、声諸々全部に当てはまるのが可愛いでしょ?俺あれ、Aちゃんが肉まん食べてる姿が一番好きなんだよね。あのこう、ハムスタがーが向日葵の種食べてる感じ?その時点で小動物じゃん?可愛すぎて無料で眺めてるのが申し訳ないんだわ。あれは有料級の可愛さ。これほどAちゃんの知り合いで良かったって思った日は少なくとも百回はあるんだけどまぁ今回に限ってはないってことにしといて。語呂良いから。それで次なんだけど、これは俺が言うまでも無いと言うか、この世に生を受けた全人類共通認識なんだけど、とにかく優しい。エクストリーム優しい。ちょっと自分を蔑ろにし勝ちなところは頂けないけど、周りを良く見て迅速に対応してくれるAちゃんには俺含め色んな人が助けられてるよ。好き。あーあとツンデレだよね。これは絶対譲れない。例え百人中百人と意見が合わなくても譲らない。Aちゃん=ツンデレ。この方程式知らない奴は取り敢えず義務教育やり直してきた方が良い。この公式知ってれば取り敢えず100点は取れる。え?オイラー等式?あんなもんAちゃん公式覚えてる奴は皆覚えてんだろ。ところでどこまで話したっけ?あぁそうそう、Aちゃんがツンデレって話だったよね。特に俺が好きなツンデレエピソードは――― 」

「 ちょちょちょストップ!! 」








 怒濤の勢いで繰り出される単語の数々が脳で処理しきれず、呆気に取られている間に彼の言葉はどんどんと先へ進んでいく。

 いやいや待て待て。この人は毎日こんな膨大な量の情報を頭に蓄えて暮らしているのか?頭が可笑しいのか?
 元々脳の要領が他人よりも多いとは思っていたが、それにしたってどんだけ私の情報が占めているんだって話だ。
 これにプラスあのどこで仕入れてきているのか分からない情報も蓄えているんでしょう?



 聞かされている私ですら既に頭が痛くなっているのに、彼はまだ語り足りないと言わんばかりに止められたことに対して不満げな表情をしている。









「 まだ100分の1にも満たないのになんで止めんの! 」
「 いや、あの、もうお腹一杯です…… 」








 この人と居るといつだって疲れる。というか、疲れない日はない。
 だけど多分、誰と居るよりも、私な気がするんだ。









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作者名:朝田 | 作成日時:2021年1月6日 19時

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