しえんと とぅれいんた い うの ページ33
試験が明日に迫った。私は放課後に呪文を微調整することに勤しんでいた。
朝食後、大広間を出ると、廊下の目立たないところに腕を組んで壁に寄りかかる影が見えた。
気障ったい雰囲気。私はすぐに見当がついて、クィリナスを肩に乗せたまま近づいた。
『おはよう、シリウス』
シ「やあ」
彼は手をひらりと振ると、少し私に寄った。
ホグワーツに来る為なのか、少しフラットなスーツに身を包んでいる。
『きめちゃって…』
シ「きまっちゃうんだ」
私は呆れたため息をついた。
『それで？本題は？』
シ「そう急ぐなって」
楽しそうに笑うシリウスに、私は膨れ顔でその頬を引っ張った。
いてて、と彼がまた笑う。
シ「おつかいだよ、マクゴナガルのね。」
『おつかい？』
シ「クィリナスを連れてこいってさ」
私とクィリナスは顔を見合わせた。彼は不審そうな顔をして人に戻ったが、私はそのうちに理由が分かってため息をついた。
『なんていうか…必ず助けるからな』
ク「…嫌な予感しかしませんね」
シ「なんだ、2人とも理由を知ってるのか？ずるいじゃないか、私だけ知らないなんて」
からからと笑っていると、シリウスの顔が一瞬だけ曇った。
何事かと振り返ると、既に小さくなってゆく真っ黒いローブが見えた。
シ「おい、A………」
気づくと私は走り出していた。後ろからクィリナスの「無駄ですよ」なんていう声が聞こえたような気がした。
『教授……教授！』
私は長ったらしいローブを引っ張ったが、彼は鬱陶しそうに振り払った。
『…私なにかしましたっけ……？』
セ「残念ながらお前が何かしてもしなくても、私はお前を振り払う」
『忘れてました』
私はあっけらかんと言うと、彼の前に立ち後ろ歩きをしながら彼と…いや彼に一方的に話し出した。
『教授、研究室を探った人、誰かわかりました？』
セ「目障りだ」
『相変わらず口が悪い』
私は笑って言うと、彼の隣で覗き込みながら歩き出した。
『これなら良いですか？』
セ「……鬱陶しい」
彼は暫く歩いてから、諦めたようにため息をついて私の方を向いた。
セ「暇なのか？」
『え？』
セ「試験は明日だろう。こんなところで私と話してる暇はあるのかね？それともラミアー様には必要ないとでも言いたいのか」
私はきょとんとしていたが、そのうちくつくつと笑い出した。
『教授、心配してくれてるんだ』
彼はもうダメだというように顔を歪めて、また早歩きを始めてしまった。
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
