cent quatorze ページ16
真っ先に目に付いたのはその滑らかな背中で、ざわめくのも無理はない、とセブルスは思った。
ラミアーの名に相応しく高潔でありながら、瞬きひとつの間に少女のように可憐に笑う。
Aはこちらをじっと見つめた。セブルスは、Aに何を訊かれたのか思い出すのに暫く時間がかかった。それがAに見蕩れていたせいだと思いたくはなかった。
セ「……背中があきすぎだ」
Aは意外そうな顔をすると、顰め面をした。そして、また慣れなそうに男の元へ帰っていった。その時、セブルスはやっと気がついた。
ク「今日くらい素直になればいいのに」
セ「……クィレル」
ク「はい？」
クィリナスはセブルスの視線の先を追い、何が言いたいのかはっきり分かった。
何故奴がAと踊る、そんな所だろうと思いながら、憎悪の目をしてローブを翻すセブルスを見た。
─────────
A side
代表生として入場する途中、色々な人に声をかけられた。ハリーたちには「そんなに綺麗なのに勿体ないね」と言われたし(何がだ)、フラーにも同じようなことを言われた。その度、シリウスが「今日は私だけのお姫様でいてくれるらしい」等と気障な台詞を言うので、思いっきり足の甲を踏みつけた。
シリウスは食事の終わり、口元を拭きながら言った。
シ「君があのスニベ……スネイプに懐いてるのは分かっているよ。でも、パートナーを置いてすぐ飛びついて行くとはね」
『変な言い方やめてよ。妬いてもないくせに』
シリウスが肩をすくめる。私があからさまに顔を顰めた丁度その時、妖女シスターズが入場した。代表生は皆立ち上がり、前に出た。
シリウスは私の腰を引いた。楽曲はスローナンバーで、私は地下牢の練習を思い出した。
シ「踊るのは得意かい？」
『練習したからね』
シ「誰とかな」
シリウスは意地悪く言うと、少々強引に私をリードした。暫くして、シリウスはわざと教授の近くで私と踊っているのだということに気がついた。
『ちょっと、シリウス』
シ「今は私と踊るのを楽しんでくれないか」
物腰柔らかな口調だが、例の悪戯をする子供の笑みだ。私は不満を取り払うようにターンをした。
アップテンポの曲に変わって、皆もダンスに参加し始める。まだ見せつけるようにダンスをしようとするシリウスに、私は呆れ返った。
シ「いいじゃないか。ただ踊ってるだけさ」
『子供じみてる』
シ「普段は君も同じなくせに」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1733人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
