泳げない僕は夢を見る

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放課後。


ついに、作戦決行の時が来た。









｢･･･ふぅー･･･｣


緊張、してきた。
理由はもちろん、作戦の内容が凄かったから。


なぎくんが提案してきたのは、部活の差し入れを作ってくることだった。
その方が、受け取って貰いやすいらしい。
･･･よくわかんないけど、そうらしい。
あと、差し入れには必ず鯖を使った料理を入れなくてはならないらしい。
･･･なんで鯖なんだろう･･･？
まあとにかく、差し入れはちゃんと作って持ってきた。
あとは、食べてもらえるかどうか。
うぅ･･･緊張しすぎて吐きそう･･･。


｢A?顔色悪いけど大丈夫?｣
｢あ、うん･･･!全然大丈夫だよ!｣
｢･･････ホントに?｣
｢もう、本当だってば!
真緒はちょっと心配し過ぎだよ!｣
｢･････････。
･･･なら、いいけど･･･｣


やっぱり、真緒がどこかおかしい気がする。
どこが、って訊かれるとわからないけど。
･･･なんか、おかしい。
違和感があって、ちょっともやもやするような気がする。


｢あ、Aちゃん、真緒くん!こっちだよー!｣


そんなことを考えていると、水泳部の部室(たぶん)の扉からひょっこりと顔を出したなぎくんに呼ばれた。
あぅ･･･また緊張がぶり返してきた･･･。


｢･･･A、行かないの?体調悪いなら今日は帰る?｣


心配したような顔で真緒に問いかけられる。






いつもの僕なら、きっと逃げてたと思う。


･･････でも、僕だって、変わりたいんだ･･･!



いつまでも、真緒に頼ることは出来ないんだから。









｢･･････大丈夫。ちゃんと行く!｣


僕がそう言うと、真緒は少し寂しそうな顔をして帰ってしまった。




･･･やっぱり、真緒がおかしいよ。






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