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あのあと波留たちも合流して、Aの容体を見守った。


午前五時過ぎ、
空が白みはじめたころ、握ったままのAの手が少し動いた。

そして間もなくAが意識を取り戻した。



「んん…」

タクト「Aっ!」

夏樹「A、どっか辛いとこねえか?」

「だい、じょぶ…皆ごめんね…」

南「…私達が好きでやったことよ。気にしないで」

波留「Aの一大事なら、駆けつけねえ訳がねえだろ」

「ふふ、…ありがとー…」



穏やかに笑うAを見て安心した。
玲奈とエミリーが医師を呼びにと病室をでていく。


そのあと来た医師によれば、今回は大きな発作だったために、数日は入院が必要とのことだった。


医師がさったあとの病室で、Aがさみしそうにつぶやく。



「…しばらく夏樹やみんなと学校行けないのかぁ…」

陸「寂しくなっちゃった?」

「…ん、寂しいよ…」

夏樹「…んな顔すんなって。毎日来るから」



いつになく素直なA。
見知った病室に、見知った看護婦であっても、やっぱり心細いんだろう。


そんなAを安心させてやろうと、頭を優しく撫でてやる。



波留「…俺らも時間が空いたら顔見にくるしな」

美森「そうそう!Aの好きなお菓子もってくるよ!」

「うん、…ありがとう」



その後しばらくして、俺以外のやつらは帰っていった。
残った俺を不思議そうにみるA。




「夏樹、夏樹は帰らないの…?」

夏樹「帰ってほしいか?」

「…やだ、帰ってほしくない…」



そういいながら泣きそうな顔をするA。
思わず笑ってしまいながら、Aの頬を撫でる。



夏樹「自分で言っといて泣きそうな顔すんなよ」

「だって夏樹疲れてるだろーなって…」

夏樹「大丈夫だから気にすんなよ」




そう言って頭を撫でてやれば、嬉しそうに目を細めるA。

結局その日は、夜遅くまでAにつきっきりで病院にいた。

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アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと - この作品が大好きで何回も読み直しています!!何度読んでもキュンキュンします!更新頑張ってください^o^ (2017年6月11日 5時) (レス) id: 9a86f7756f (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年5月14日 3時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ(プロフ) - この作品は、二、三回読んでます!その度にキュンキュンさせてもらってます。ありがとうございます。更新頑張ってください、待ってます。 (2017年5月2日 18時) (レス) id: 095aa0ad59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2015年2月15日 0時

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