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屋上から降りてきて、ホテルの前に。


「っくしゅんっ」



だいぶ冷えるなぁ…、厚着して来ればよかった。

手を擦り合わせていると、後ろから何かに包まれた。
夏樹のコートだ。
そして背中には夏樹の胸。
夏樹のコートの中にすっぽりと包まれている。



夏樹「少し冷えたか?」

「今日寒いからねー…ありがと夏樹、あったかい」



ちら、と美森を見れば、ツバメから南の指輪を受け取っていた。



美森「…南の家ね、おっきな鏡があるの」



南が小さい頃からお気に入りという、大きな大きな鏡。



美森「 あそこん家、お母さんが音楽家だから世界中飛び回ってて、いつも一人で過ごしてたみたい。」



家にパパママがいない寂しさは、私も少しわかる。
家の両親も出張が多いしね。

でも高校に入ってからは、夏樹が一緒にいてくれた。


南にはそんな人がいなかった、んだよね。
私は南のこと、わかってるふりしてたんだ。

南は強いから、南は大丈夫だって。

今考えたら、全部強がりでしかなかったんだ。
意地っ張りな南には、寂しいなんて言えなかったんだ。




美森「プラチナリングもらったときは嬉しかったけど…これ信頼の証とかじゃなくて、私から離れるなって縛りだったのかも」



ついこの間まで、プラチナリングがはまっていた指をそっとなぞる。




「きっと空っぽだったんだよね、南も。…だからいっぱい愛情を注いでも、全然満たされなかったんだと思う」



空っぽだったんだよ、私達も。
今はようやく満たされてきてるんだ。
なのに、南は満たされなくて苦しい思いをしてる。



そう考えると、自分の非力さが恨めしく思えた。

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アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと - この作品が大好きで何回も読み直しています!!何度読んでもキュンキュンします!更新頑張ってください^o^ (2017年6月11日 5時) (レス) id: 9a86f7756f (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年5月14日 3時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ(プロフ) - この作品は、二、三回読んでます!その度にキュンキュンさせてもらってます。ありがとうございます。更新頑張ってください、待ってます。 (2017年5月2日 18時) (レス) id: 095aa0ad59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2015年2月15日 0時

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