よんじゅーなな。 ページ49
「ラギーさん、少しお時間よろしいですか？」
「大丈夫っスよ！シフトの事っスか？」
この日僕は、モストロでバイト中のラギーさんを呼び出した。
周囲に人がいない事を確認してから切り出す。
「この学園の掲示板で、…極夜の国崩壊について、話題になってまして」
「…！」
「そこに当時の新聞記事が貼ってあるんです。その記事にある写真に、…Aさんと見られる方が写っているのですが…」
「それ！！…見せてもらっていいっスか」
言い終わる前にラギーさんは、今にも僕に掴みかかる勢いで、詰め寄った。
自身のスマホで掲示板を開き、ラギーさんへスマホを渡す。
「…あのAさんの噂、実はこの掲示板が出所なんです。イデアさんに教えてもらって、あまり広まらないうちにどうにか対処を、と考えていたのですが…すみません」
画面を見つめているため、髪がかかって表情は見えないものの、握りしめられた片方の拳でラギーさんの怒りはひしひしと伝わってきた。
Aさんを好きな生徒の中でも、彼女をずば抜けて寵愛しているのが、ラギーさんレオナさんだ。
その彼女が、絶対思い出したくないであろう過去を晒されて、古傷を抉るような思いをさせられている、となれば…。
僕も彼女を気に入っていて、この掲示板を見て腹が立つくらいだ、目の前のラギーさんは、度重なる事態に頭がおかしくなるほど怒りを感じているだろう。
「…アズールくん、今日もう上がっちゃダメっスか？」
「レオナさんのところへ？」
「悔しいけど、…レオナさんはAのこと、一番詳しく知ってるんスよ。俺じゃまだ、Aを全部理解してあげられて無いんで」
「…どうぞ。本日もお疲れ様でした。この件が落ち着いたら倍働いていただきますからね」
「もちろんっス！」
承諾するなり僕にスマホを返して、こちらへ背を向けて走っていったラギーさん。
レオナさんは王族だから、ということで、極夜の国の事をよく知っているのか。
…もしかしたら、王族同士繋がりがあったりするのでは。
正直Aさんの事に関しては、教師陣に任せるのと同じくらいレオナさんに任せておくと心強いと、常日頃から思っている。
協力を求められたらその時だ。
さて。
この忙しい時間に彼が抜けたのは痛い。
ホールの様子を見に行こう。
ハットをかぶり直し、賑わうラウンジへと足を運んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2420人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか？どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (
レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか？ (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます！！ (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みる
| 作成日時：2020年10月16日 1時
