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さんじゅーよん。 ページ36

クルーウェルside



「こんな時間に何の用だ、駄犬共。俺とて暇ではないんだが?」

「…部屋に入れろ」

「用件次第だ」

「Aの話だ。外でできるような話じゃねえ」



Aの話、と言われれば、無下に追い返すわけにもいかない。
ましてやブッチはともかく、キングスカラーが自ら訪ねてくるという事は、ただ事ではないと、想像するに容易い。

come、と二人を招き入れ、並んで座った二人に向かい合うように座る。



「1年の間で流れてる噂っつって分かるか?」

「Aが監督生を虐めている、とかいう奴か?」

「…Aが極夜の国の王女だ、っつー噂だ」

「っ…!?」



思わず飲んでいたコーヒーのカップを落としそうになった。

彼女の出身も生い立ちも、教師陣と精々この二人くらいしか知らないはずだ。



「一体、誰がその噂を…!」

「監督生、てとこだろうな。前に俺にAの国の事聞いてきやがった。…どこで聞いたのかはわからねェ」



どうりで二人とも、訪ねてきたときから神妙な面持ちをしていたわけだ。



「そこでだ、…明日魔法薬学室に監督生を呼び出す」

「クルーウェル先生にも立ち会って欲しいんス。…俺もレオナさんも、アイツに手出しかねないんで」



だろうな。

この二人が、Aがそんな仕打ちをされているのを見過ごす訳がない。
監督生であろうと、他の誰かであろうと。

下手に放っておいたら、あたりが血の海になる確率は非常に高い。
それなら俺の目の届く所で、何かあれば仲裁に入れる状態でいた方が好ましいと、俺も思う。



「わかった、…A本人はどうする?立ち会わせるのか?」

「…こんな話、Aの耳に入れたくなんかねーっスよ。明日、何か適当に理由付けてAを学園に来させないようにしたいんスけど…」

「まあ…それもそうだな、Aには俺から上手いこと伝えておく」



この話が万が一彼女の耳に入ったなら、と想像もしたくないのは、俺も二人と同じだ。

彼女自身も、極力聞きたくないだろうし、心の奥底に仕舞っておきたい話だろう。



「ひとまず、要点はそれだけだ。…ラギー、戻るぞ」

「はいっス、…クルーウェル先生、よろしく頼んだっスよ」

「ああ。もう時間も遅い、ハウスに戻ったら早く寝ろよ。…明日の為にもな」




簡潔に必要事項だけを伝えて去っていった二人。

ひっきりなしに騒ぎを起こす、自らの受け持つクラスの生徒に、最近よく感じている頭痛がした。

さんじゅーご。→←さんじゅーさん。



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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

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