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にじゅう。 ページ22

レオナside


ある日の昼休み。

ラギーが買ってくる昼飯を待ちつつ、植物園で寝転がり、一人でいる時のことだった。
誰かの気配を感じると共に、気に入らないあのにおいがした。



「レオナ先輩!」



最近Aを追い出そうと躍起になっている、監督生だった。
返事も返していないのに、俺のとなりにやってきた監督生。

この女が話すことなど、自身が流したAに関する噂だろうと容易く想像がつく。
こいつの話を聞いてやるつもりは端から1mmも無い。
このまま狸寝入りを決め込んで、無視するのが一番いいだろう。



「レオナ先輩、聞きたいことがあるんです!…A先輩の国のこと、教えてくれませんか?」

「…あ"?」



俺が目を閉じているにも関わらず、それを気にすることなく放たれた言葉は、予想外の言葉だった。
Aの国のこと、と聞いて、眉間にシワが寄り、いつもよりも格段に低い声が出たのが自分でもわかった。
元凶の草食動物の顔を見れば、それは愉しそうににやついていた。



「やっぱり寝たふりだったんですね。…A先輩の出身って、この世界では有名な"あの国"ですよね?」

「てめェ、…どこでそれを知った?」

「内緒です♡」



恐らくこの学園内でも限られた者しか知らないはずの、Aの出身と生い立ち。
一体こいつは、どこでそれを知り得たのか。

内緒だと笑うこの女に、酷く腹が立つ。




「レオナさーん、戻ったっスよー……って、何でアンタがここにいるんスか?」




昼飯を手に戻ってきたラギーも、何故こいつがいるのかと、嫌悪感を隠すことなく顔をひきつらせながらじろりと監督生を見た。




「…今すぐ俺の前から消えろ。Aの事を詮索すんなら他を当たれ」

「あーあ、うちの王様の機嫌損ねて、…噛み殺されたって文句言えねえっスよ」




俺達二人から滲み出た殺気に、少し怯んだように見えた監督生は、大人しく俺達の前から立ち去った。

にじゅーいち。→←じゅーきゅう。



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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

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