断章取義【続】5

#208 ページ18

…




安田side





大倉が実は理事長である、大倉組頭領の息子であることを知ってから

いつも通りを心がけてるつもりやけど、何となく遠い人になってしまったみたいで、

心寂しい…




大「やーす。メシ行こ

どうした？体調悪い？」



安「ううん、大丈夫。」





気が利くし、周りのことちゃんと見れてるし、

こんな顔かっこいいし、


性格もかっこいいし、男気があって、



色気もあって



身長も高いし……





…何が言いたいかって言うと、大倉がモテる。



文化祭前からモテてたけどさ、


あれ以来男も大倉に話しかけることが増えて、


休み時間なんかはあんまり俺とも話してくれへん。



でも、こうやって昼ごはんには一緒に行こって言ってくれるから、
まだ何とか精神保ててる。


群がる人ら、
1学年だけで終わったらいいねんけど、


缶バッチを付けるようになってからというもの

上の学年も大倉の虜で、

食堂に着いたら地獄。



今日何食べるの？


あっちに席開けといたよ。


明日ゲーセン行こうぜ。


今日泊まりに来ない？



様々な声が大倉を汚す。




安「……はぁ、」





大「…でかいため息。どないしたん？」



今週は減量するらしく、サンドイッチを頬張る大倉が顔を覗き込んできた。



大「あれ、痩せた？」



安「あんま変わってへんよ」




大「いや、痩せたって…運動のし過ぎ？」




にやり、と効果音が着きそうなくらい大倉の表情が変わる。



運動、つまり夜の……




安「そうやな、ちょっとやり過ぎかな」





大「はっはっ、今日も楽しみにしててな？」



喉元に顔を埋めて、見えるか見えないか、ギリギリの場所に赤い花を咲かされた。



安「あほぉ…」









…

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