断章取義【続】5

#202 ページ12

…



大「…ん？」



夜中、何だか隣が尋常じゃないくらい暑くて目が覚める。


大「やすぅ？」


と声かけてみるけど、帰ってくるのははっはっという浅い呼吸だけ。





大「え、ヤス大丈夫？」




安「お…くらぁ…はぁっしん……どい」




何とかヤスに教えられた通り、リビングの奥の棚から体温計、


風呂場からタオル2枚、(1枚を濡らして絞る)


奥の間からブランケットを何枚か持ってきて、




などを持ってきて、寝てるヤスに渡す。



安「何度？」



大「ん…さんじゅーはちど…さんぶ」





あっつ





安「おおくらぁ」



大「ん？何？なんでも言うて？」




濡れタオルで汗ばんだ体を拭いてかわいたタオルでもう一度丁寧に拭く。



新しいパジャマに着替えさせ終われば、もう一度ベッドに寝転がせた。



俺がおったから布団狭なって寒かったかな…？


安「おおくら、風邪うつっちゃうから、別室行っといて…あと、亮に……」




大「亮ちゃんは分かったけど…ヤスひとりに出来へん」



そう訴えるけど、特に隣にいて役立てるかと問われれば答えはいいえやわ。


俺なんも出来へん。



安「風邪、うつったら…ケーキ食べられへんくなるで？」




なんてしんどいのに、笑うから、


おでこの上に手を乗せて、「はよ治せよ」ってだけ伝えて俺は廊下に出た。




大「よし、まずは亮ちゃん」




他人の家夜中に歩き回るのなんかあかんことしてるみたいで気が引けるけど、

この際ごめんなさい。



俺の大事な恋人がしんどそうやねんもん。




大「亮ちゃん〜部屋どこ〜？」









…

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