28.しっかり者のサクライくん ページ28
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「とにかくだ！」
痛すぎる思い出に涙目になりながら、櫻井くんが胸を張る。
「その小さい頃に、キュートな智くんが大好きすぎて
俺は、ちゃっかりプロポーズを済ませてんだよ！！」
「Σえ――ッ！！ そんなのずるい！！」
「うるさい！ 早い者勝ちだ！」
抗議など聞かないと強気な櫻井くんに
大ちゃんが、いつもみたいに首をかしげた。
「ぷろぽーず？ なんだっけ？」
あれ？
された本人が知らないの？
「『大きくなったら結婚しようね』って約束したじゃない！」
「うん？」
「高校を卒業する時には、君のご両親の前で正式にしたよ？
いくらあなたでも、それを覚えてないわけないよね？」
「あー あれか」
ポンと手を打つ大ちゃん。
「『寝ゴトは寝て言え』って、父ちゃんがいってたから
寝ゴトかと思ってたぁ」
「ＮＯｫｫｫ――ッ！！(涙)」
あー
なんか、櫻井くんが不憫になってきた(汗)
でも、
そんな同情なんて必要ないくらい
彼は、すごくシッカリちゃっかりした人間だったんだ。
「そんな おとぼけな智くんも 大好きだからいいけども！！」
半泣きになりながらも、櫻井くんは不敵に笑う。
「それに寝言だなんて、もう言わせないよッ
そんなキミのお父さんの許可さえもゲットしてきたんだからっ！！」
「許可？ なんの？」
「結婚！！」
「誰と？」
「智くん！」
「誰が？」
「オ！ レ！」
お…父さん？
大ちゃんのお父さんが許可って！？
じゃあ、櫻井くんの独りよがりな婚約宣言じゃないってこと！？
「―――」
肝心の大ちゃんはポカンとした顔で
めっちゃドヤ顔になってる櫻井くんを見ていたんだ。
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作者名：たると
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/tarutolist01/?plid=tarutoamnos...
作成日時：2018年7月4日 19時
