19.見事な偶然です ページ19
.
ホワイトボードのみんなの予定を、何気に見た。
ニノは、必修単位の「１泊実習」って書いてある。
そういえば、
不参加で単位落としたら留年確実になるから絶対行かなくちゃいけないけど
めんどくさくて行きたくないとかごねてたなぁ。
すんごい嫌そうな顔してたのを思い出した。
へぇ 今日からだったんだ。
そして
「え！？ あれ？ 松潤も… と、泊まり！？！？」
「なんかねぇ
今朝、急に事務所から『パスポート持って来て』って電話があったみたいだよー」
「パスポート！？ じゃあ海外！？」
「どこっていってたかなぁ？」
「マジ…で？」
「うん、すごいよねぇ
海外でお仕事ってなんだろね」
「………///」
マジで！？ マジで？！ マジで！？
今夜は大ちゃんと二人きり！？
一緒に住んでるのに、
三人が三人ともけん制し合ってるせいで
この一年絶対ありえなかった『二人きりの夜』
俺の心臓はバクバクうるさくなって、尋常じゃないくらい働き始めた。
「だからさぁ
煮つけにしとけば、冷蔵庫で３日くらい持つでしょ？」
「あああ、そそそそれで、いつもの刺身じゃなくて煮つけなんだね///」
「そーなの」
大ちゃんの言葉に反射で応えてはいるけれど
俺の頭はぐーるぐーる。
「…………///」
ヤマシイ気持ちなんて…『ちょっとしかない』…はず。
それに、
変なことして、警戒されたり嫌われるなんて
ぜーったい嫌だ。
現に、ニノと松潤がそんなふうじゃん？
そんなのダメだから、俺……
「相葉ちゃん♪」
「ひょえ？」
「あーん」
「！？！？！？///」
「味見して？」
「あ…あーん…///」
「これで火を止めるから
もうちょっと味は濃くなるけど…」
どお？って首を傾げる、エプロン姿の君。
「おいしい！！/// すんごくおいしい！！///」
「よかったぁ」
大ちゃんは安心したように、ほにゃって笑う。
「―――///」
そんな姿が、愛の爆弾すぎて、
俺は顔を覆ってテーブルに撃沈した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 535人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たると
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/tarutolist01/?plid=tarutoamnos...
作成日時：2018年7月4日 19時
