Blue Ocean ～青色王子に夢中～ (ページ48)

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僕の鍵は誰に？３ページ48

青砥さんに感謝する時間は、たったの１分も保ちませんでした。

「榎本、ついに俺とデートする気になったのか♪」

「榎本さん。今度こそ、フルコースのおもてなしをいたしますよ♪」

「榎本！やっぱり男は渋さが一番だよな♪」

３人同時に話しかけられても、僕は聖徳太子ではありませんから、何を言ってるかはわかりません。

口にはしませんが。 ←

「「「 ………！！……… 」」」

でも、３人にはそれぞれの言葉がわかったようです。
僕に向けられていた視線がなくなりました。

やれやれ。

「おい、てめぇ。今フルコースとかなんとか、ふざけたこと言ってなかったか？」

「芹沢弁護士。男に渋さというものを求めるような、彼ではないのは一目瞭然でしょう。貴方の目は節穴ですか？」

「おい！若僧！！知り合って間もないないくせに、いきなりデートとはなんだ！見るからに遊び人の探偵風情が、気安すぎるんだよっ」

やはり、うるさいです。

いい加減にしてほしいです。

青砥さんを見ると、何やらくすくすと楽しそうです。

いったい何が楽しいのやら、僕にはサッパリわかりません。

「もう…」

「何？榎本」
「どうされましたか、榎本さん」
「なんだ？榎本」

「僕は失礼します。今日中に開きたい壊れた錠前がありますので」

そこまで言って、僕は上にある小さな机に向かい、階段をあがりました。

しばらく、３人の声と青砥さんの笑い声が聞こえていましたが、ヘッドフォンを付け、錠前を前にすれば。

ほら、もう何も聞こえません。

僕の時間です。