Blue Ocean ～青色王子に夢中～ (ページ42)

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とある新米探偵の誤算９ページ42

「片付けておきたいことって…」

「まず、貴方の本当のお仕事は？名前も偽名ですか？」

「何?!」

やっぱり真っすぐに見つめてくる視線と、言葉の内容に驚いた。

「な、何を…」

「警察という感じではなさそうですから、探偵といったところでしょうか」

「！！」

「何故、ここに来られたのかは知りませんが、それくらいはわかります。貴方が、名刺の会社にあるような人物ではないのは明らかですから」

「な、なんでだよ？！」

「……それです。」

「は？」

「会社の総務担当でセキュリティを任される人物が、あなたのような直情的な人間であるはずがない」

「な、なんだよそれ…」

「当たり、のようですね」

すらすらと、まるで謎解きのような口調に俺の変装はいとも簡単に丸裸にされた。

(チッ、天然パーマの心配が当たりやがった)

探偵がターゲットに見抜かれるなんて、とんでもないミスだ。

俺は白旗を上げるように、変装の銀縁メガネをはずし、ワイシャツのネクタイを緩めた。

「あんた、何者だ？」

「それを調べにきたんじゃないんですか？」

「うっ…」

こいつ、なかなか言うじゃねぇか。
美人にこういう口調されるとこたえるな。

ってだから、男だってば！！

「探偵の方(かた)が、僕にどういうご用があるのかはわかりませんが、今からやることがありますので、お付き合いはできません」

そこまで言うと、榎本は作業台に置かれた模型のほうにクルリと回り、座り込んでしまった。
そして、すでに俺に興味がないという感じで、白いヘッドホンをつける

「ちょ、ちょっと待ってよ」

そのヘッドホンを強引に抜いて、肩を持って体ごとこちらに向けさせた。

「まだ何か？」

座ったままの榎本が、立っている俺に、自然と上目遣いになる。

(なげー睫毛)

「あんた、恋人いる？」

(うわー、俺、何聞いてんだよ？！)

「…？今は、男性も恋愛話が世間話になるのですか？」

「は？」

「あなたに恋人はいますか？」←棒読み１

「え？！」

「今までどんな恋をしてきましたか？」←棒読み２

「はいぃぃ？！！」

「…………？違いましたか？」

きょとんとした榎本。

(か、可愛いじゃねえかっ///)