仲良くやっていこう！ ページ21
｢…どう思う｣
｢…怪しいな｣
亜月が去っていった後、勘右衛門と三郎は先程よりも少し低くなった声でそう言葉を交わした
｢この前運ばれてきたという女か。酷い怪我だったと聞くが、そうは思えんな。松葉杖もどうもわざとらしい｣
｢まあ、あの善法寺伊作先輩が居るんだから、怪我は本当だと思うけど…向こうも此方を探っているようだった｣
｢変装などは特にしていなかったが…どこかの忍びかもしれない。警戒しといた方が良さそうだ｣
｢あの…｣
後ろからかかった遠慮がちな声にはっと二人は振り返る
不安そうな顔でこちらを見つめる後輩二人
慌てて二人は部屋の真ん中へ戻る
｢ごめん庄ちゃん、話し込んじゃった｣
勘右衛門は笑顔で謝りながら腰を下ろし、少し温度の下がったお茶を一口含んだ
｢新しい事務員さん、どんな人だったんですか？｣
庄左ヱ門のその言葉に勘右衛門と三郎の顔が再び僅かに強ばる
三郎は先程の、桜田亜月と名乗る新しい事務員の女を思い出す
｢…若かったな｣
その言葉と言い方は後輩へ向けて、というよりも勘右衛門に向けて情報を共有するようなものだった
｢うん、若かった。…顔は整ってはいた。賢そうだった｣
勘右衛門はそう言ってから羊羹をひょいと口に入れる
やや切れ長の大きな目にすっと通った鼻、艶のある唇は緩やかな弧を描いていた
背丈は自分達よりも少し低い位で、此方を強い目で見上げていた
特別美少女、という訳では無いが、普通に街中にいたら彼女に目は行くんだろうな、と街中で歩く彼女を想像して三郎は思う
＜もし本当に侵入者だとしたら…＞
＜かなり厄介だ。あの怪我だと長く居るだろうし…＞
矢羽音でそう会話するがそれっきり二人は黙ってしまう
部屋に流れる沈黙
いつもと少し様子の違う先輩二人に、庄左ヱ門と彦四郎は顔を見合わせる
会って挨拶したかったな、という言葉を彦四郎はぐっと飲み込んだ
いつもは庄左ヱ門が扉を開けるのを三郎が代わり、勘右衛門が扉の前に移動して二人で自分達を隠したのも万が一の為だと分かっていたからだ
｢まあ、まだどんな人か詳しく分からないけど、学園にいる間仲良くやっていこう！｣
パチンと手を叩いて明るくいつもの笑顔で言う勘右衛門
その言葉で緊張感のあった室内の空気は和んでいった
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たると(プロフ) - れなさん» ありがとうございます！少し人見知りだけど芯が強い夢主ちゃん、私も好きです( ˙˘˙ )♡これからも楽しんでいただけると幸いです…！ (2022年2月1日 23時) (
レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……！あと1ヶ月ほどほぼ無更新に近い状態になりますが、更新再開まで気長に待っていただけると幸いです……！ (2022年2月1日 23時) (レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - とても面白いお話で、ストーリーの流れや、夢主ちゃんの性格など、とても好きです☺️更新楽しみにしています！ (2022年2月1日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは 夢小説読ませていただきました 面白かったです‼️ 更新頑張ってくださいね (2022年1月17日 19時) (レス) @page34 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - みぃぷる�鵑気�» とても嬉しいお言葉ありがとうございます…！文章の表現の仕方は意識をしているのでとても嬉しいです。これからも楽しみに待っていただけると幸いです(｡ᵕᴗᵕ｡) (2021年11月26日 17時) (レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たると | 作成日時：2020年7月10日 8時
