増える足音の怪 其の陸 ページ16
パタパタ パタパタ
「…夜の学校って意外と音が響くのねぇ…」
懐中電灯を持って、キョロキョロと周りを見ながら歩く
普通、廊下の電気をつければいいのだが…一応侵入しているわけだから付けないのだ
空には月が登っていた。月明かりが綺麗
「あ、私のクラスここね」
そっと、ドアを音がしないように開ける
カラカラカラ…
その気遣いも静かな学校内には無意味だった
「うっ…こ、こんばんわ〜……」
シーン…
もちろん当たり前だが返事はない
「…良かった…誰もいない…ってそうよね…いま10:40くらいだもの…」
懐中電灯の明かりを頼りに自分の席を探す
前から三番目、窓側の机
「あ、あった！課題ノート！」
ガサゴソするとすぐに見つかった
手に戻ってきたノートの感覚に何故か安心感が
「これで怒られないで済むわ…。…あれ？そういえば…足元が重い気が…」
気にしなかった事が急に気になるあるあるである
そして恐る恐る下を見ると、そこには…！！
「………………もっけちゃん？」
そう、物怪が何故かしがみついていたのだ
寧々が見ていることに気がついた物怪たちは口々に『みつかった』『にげろ』といって、蜘蛛の子の如く散っていった
頭上にはてなを浮かべて、物怪たちを見送る
「…何だったのかな？もっけちゃんたち…
………とりあえず帰らなくちゃ！家で少しでも進めないと成績が危ないわっ！」
パタパタと走って、廊下に出る
そして廊下に出た瞬間だった
昼間の、あの嫌な気配
(この気配…っ！)
ぞわりと背筋に寒いものが走るのを感じる
振り向いてはいけない、そのまま逃げないと
そう言い聞かせるも恐ろしくて足が重い
カツン…カツン…
自分の足の速度と同じペースで足音がついてくる
そして昼間のときと同じく、徐々に増えていく
笑い声、喋り声、子供の足音、大人の足音
どうにか階段を耳を塞ぎながら降りて、あと少しの所だった
『寧々ちゃん』
聞き覚えのある、友人の声
「……葵？」
その声につられ、寧々は振り向いてしまった
そこには葵の姿は無く
寧々が見たのはあの月明かりの入った廊下でもない
真暗な深淵に生気の無い目が寧々を見据えていた
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白夜の幻想者 - あいうえおさん» あ、そうでしたね…！ご指摘ありがとうございます…！ (2019年4月7日 14時) (
レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 花子くんはヤコさんのこと「二番」って言っていたような気がします (2019年4月7日 0時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 透空さん» えと、ごめんなさい…いろいろあって一個だけしか更新できなかったです…今はどうにか一段落したのでそちらも続けられます…！ (2019年3月4日 7時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - ごめんなさい、突然…。合作のことなのですが、続けられますか？私はどちらでも良いので白夜さんが決めて頂ければと思いまして…。少し考えて頂けたら嬉しいです。 (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 最近ネタが浮かばないこの頃です。更新が全然進まず申し訳ありません！ (2019年2月16日 11時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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