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目覚めと追憶 ページ10
ベットの上の掛け布団がモゾリと動く。
薄い掛け布団に、三角型の獣の耳がピンッと浮き上がる。
そのままモゾモゾとベットの端まで獣の耳が移動し、布団の端からハフッと息を吐きながら顔を出した。
毛艶の良い灰褐色の毛に、透き通るような琥珀色の宝石のような瞳が二つ雛菊をトロンと眠そうに見つめる。
「おはよう シンア」
ゆったりとした口調で朝の挨拶を終えた雛菊は、出てきたシンアの鼻から上顎沿いを親指で柔く撫でた。
シンアは甘えるような低くくもった声を出すと、雛菊の手に上顎を擦り付ける。
微笑ましそうにシンアを見ていた雛菊は、上がっていた唇の端を下げ、はたっと顔を上げるとシンアの肩をポンポンと2度、優しく叩いた。
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作者名:雛菊 | 作成日時:2017年8月21日 9時