美人マネに宣戦布告【菅原孝支】

23ROUND ページ24

思ったより落ち込んでる。



あ「…」



仕方ないよ。

スガが好き。

だけど、心の中のどっかでスガと潔子が
お似合いだと思ってしまう。

潔子に敵わないのが分かっているから？


この考えはクロの言う"人のせい"なのかな。


スガが好きなのは変わらない。


…なんで、スガなんだろう。


スガは潔子のこと好きなんだよね…？


よりによって、ライバルが潔子。



本当に、どうしてスガのこと好きになって
しまったんだろう。



影「成さん？」



あ「！？」


ちょうど靴を履きかえ校舎を出るとき、
急に後ろから声をかけられる。



あ「びっくりした…心臓でそう。」



影「え？」



影山は首をかしげて眉間にシワを寄せている。



あ「…。例えだよ。」



本当、バレー以外は鈍いんだな。



影「どこ行くんですか？」



あ「タオル洗いに行ってくるんだよー。」



影「え、一人でですか？」



あ「…。」



人が傷ついてるところ えぐるな。
悪気ないのは分かってるけど。



影「荷物持ちしますよ？」



あ「いいよいいよ！練習したいんじゃないの？」



影「いや、ちょっと上手くいってなくて気分転換に外走ろうと思ってたとこなんで。」




あ「じゃあ、お願いしようかな？」



影「はい。」



影山も靴を履きかえる。

そして、荷物を持ってくれる。



あ「…」
影「…」



話題無さすぎる。

…でも、無言でもいっか。



影山はいつもどんなこと考えてるのかな？
本当に頭の中バレーだけって感じ？

影山は天才って言われてるけど、
それは才能だけじゃなくて努力してるから。

なんか凄いなー。



あ「影山はさー？」



影「？」



あ「もし、絶対敵わない相手がいたとしたらどうする？」



影「敵わない相手ですか？」



影山は真っ直ぐ前を向いている。



影「努力して勝つだけです。敵わないって思っていても仕方ないです。」



あ「！」



悩む間もなく当然のように答えが返ってくる。



影「…」



影山は私の方をじっと見る。

え、潔子のことってバレた！？
いやそんなわけないよね。

もしかしたら意外とその辺の勘が鋭かったり…



影「及川さんのことですよね？」



あ「…。」



やっぱり、気付かれてなかった！
頭の中バレーでよかった。



影「俺及川さんに負けませんから。」



あ「うん。私も皆のサポート頑張るよ。」

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