youth 9 ページ9
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慎「Aおはよ」
「...ごめん、私帰るわ」
慎「え？なんで？」
教室に戻ってすぐ、カバンを持って再び教室を出た。
慎太郎、すごく心配そうな顔してたな。
必死に涙を堪えながら、玄関に向かって足を進める。
慎「おい、待てって」
「慎太郎、」
追いかけてきた慎太郎に、腕を掴まれた。
今にも涙が零れそうで、心配そうな顔をする慎太郎から目を逸らすことしかできない。
慎「どうした？体調でも悪いか？」
「...悪くないよ」
慎「じゃあなんで、」
「...キスしてたの」
慎「...は？」
訳、わかんないよね。私だってわかんないよ。
慎太郎、もう手離してよ。今日は帰りたいの。
「...田中先輩、女の人とキスしてた」
慎「...まじかよ」
「もう帰りたいの、離して」
慎「待てって」
離してと言ってるのに離してくれない慎太郎。
「もう、ほっといてよ」
慎「ほっとけるわけないだろ」
わかってた。慎太郎が私のことを、ほっとくわけがないってこと。
そうやって心配してくれるってこと。
「...でも、帰りたい」
慎「わかった、じゃあ玄関で待ってて」
私の手をパッと離して、慎太郎は教室に戻った。
私は慎太郎に言われたとおり、玄関へ向かう。
.
慎「お待たせ」
「なんで、バッグ持って、」
慎「ほら、行くぞ」
何故か自分のバッグを持ってきた慎太郎。
...もしかして、一緒に帰るつもりなの？
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
