youth 8 ページ8
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「あ、これ。お母さんが持ってけって」
慎「まじ!?嬉しいわ、サンキュ」
「じゃあ、私行くね」
慎「え?帰んの?」
寝ぼけ眼をこすりながら、驚いた顔をして聞いてきた慎太郎。
え?帰るなんて普通のことでしょ?
慎「一緒に食べてかないの?」
「もうお母さん準備してるから、私は家で食べるよ」
慎「そ?じゃあこの皿洗って返すわ」
「わかった、じゃあまた明日」
おかず渡したし、帰ろうと思ってドアに手をかける。
慎「あ、A」
「ん?」
慎「俺明日日直だから先行くね」
「わかった」
まだ少し眠そうな慎太郎に手を振って、部屋を出た。
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ジェ「え、何お前らまた喧嘩?」
「なに?なんで?」
ジェ「だって別々に来てるから」
「慎太郎が日直だからだよ、私歩いてきたし」
ジェシーの中で、私と慎太郎が別々に登校=喧嘩になってるのはなんで?
ニコイチだと思い込んでるのか?
今日は天気がいいから、自転車じゃなくて歩いてきた。
「あ、やば、昨日出し忘れてたこのプリント出さなきゃ」
ジェ「俺もう出した〜べろべろば〜」
「ねえうざい」
変顔で煽ってきたジェシーをはたいて、職員室に向かった。
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私の教室からは少し遠い、職員室までの道のりを歩く。
今日やっぱ天気いいなあ、なんて思いながら窓の外に目をやると
「うわ...」
向かい側の校舎の空き教室で、男女がキスしてるのが見えた。
朝からよくやるよな、角度的に誰かはわかんないけど。
そう思いながら見ていると、少し角度が変わって男の人の顔が見えた。
「田中...先輩、?」
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作者名:姫野 | 作成日時:2022年9月3日 22時