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youth 39 ページ39
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お風呂から上がって、髪も乾かして、慎太郎を待つ。
慎太郎が帰ってきたら自転車の音が聞こえるはずだから、テレビはつけずに。
最近の傾向からして、そろそろ帰ってくる頃だと思うんだけど...
「、あ」
窓の外から、話し声が聞こえる。
...運が悪いなあ。
ようやく気持ちを伝える決心をしたのに、こんな時まで彼女と一緒なんだもん。
「...帰った」
窓を覗いてふたりの姿を確認してみれば、彼女は慎太郎に背を向けて歩いているところだった。
気が進まないけど、行かなきゃ。
今を逃したら、きっとまたいつまでもずるずると引きずってしまう。
そして、また誰かを傷つけてしまうことになりかねないから。
「慎太郎、！」
慎「A、」
だから、自転車を片付けようとしている慎太郎に部屋から声を掛けた。
慎太郎は大きな目をまんまるにして、私を見上げている。
「待ってて！」
慎「えっちょ、A！？」
窓も閉めずに、それだけ告げて全速力で階段を下りる。
そして、玄関に散乱していた誰のものかも分からないサンダルを履いて扉を開けた。
「慎太郎...」
慎「どした、そんな息切らして」
「私、私ね、」
息を整えながら、ありったけの勇気を振り絞って
「慎太郎のことが、好き」
伝えなくちゃいけないことを、言葉にして届けた。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
