youth 35 ページ35
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樹「お前、なんも知らねーのな」
慎「じゃあそっちは何を知ってんの？」
「もう、やめて...！」
なんでこんなことになるの。
私は、慎太郎のことも樹くんのことも大切にしたいのに。
樹「...ごめん、Aちゃん」
慎「ごめん、...」
「元はと言えば、私が悪い。ごめんね。
だから...ちょっと1人にさせて」
慎太郎の目も、樹くんの目も見ることはできなかった。
顔を上げたら、揺らいでしまいそうな気がしたから。
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こうなったら、私の頼れる人は1人しかいない。
「もしもし、ジェシー？」
ジェ『おぉ、どしたのこんな時間に』
「話聞いてほしくて」
ジェ『慎太郎のこと？樹のこと？』
「...どっちも」
ジェ『OK、じゃあ明日9:00に迎えに行く』
「え、学校は、」
ジェ『ちゃんと起きろよ、じゃおやすみ』
明日の約束だけ取り付けて、ジェシーは一方的に通話を切ってしまった。
明日普通に学校あるよね？9:00なんて思いっきり遅刻じゃん。
てっきり電話で聞いてくれるものだと思ってたから、予想外の展開に頭の中が渦を巻く。
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ジェ「A、おはよ」
「おはよう、」
次の日、9:00ぴったりに現れたのは制服姿のジェシーだった。
よかった。私も一応制服着ておいて。
これから学校に行くってことだよね、きっと。
「今からだと遅刻になっちゃうね」
ジェ「ん？今日はサボりだよ」
「え？」
ジェ「さ、行こ」
「え、行くってどこに？」
ジェ「ゆっくり話せるところ」
長い脚で歩き出したジェシーの後ろを、素直について行った。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
