youth 11 ページ11
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「慎太郎、もう帰ろうよ。見つからないよ」
慎「んー」
「もう暗くなるから諦めよ」
慎「...あった！」
帰ろうと提案した瞬間、慎太郎が四つ葉のクローバーを見つけた。
「...すごい！四つ葉のクローバーだ」
慎「はい、あげる」
「え、？」
慎「これ持ってると幸せになれるんだろ？」
ん、って、四つ葉のクローバーを私に差し出してくる慎太郎。
あの時とは反対で、慎太郎が見つけたクローバーを私がもらう。
「ありがとう。まあ、幸せになれるのは見つけた方なんだけどね？」
慎「いいからいいから、細かいことは気にすんな」
「しおりにして持っとく」
慎「うん、そうすりゃ幸せになれるよ」
結局、また慎太郎に助けられてしまった。
慎太郎が励ましてくれたから、田中先輩のことで重くなっていた心が少し軽くなった。
慎「よーし、んじゃ帰るか！」
「うん、帰ろ」
ここに来た時と同じように、慎太郎の後ろに座ってしっかり掴まる。
慎太郎の運転は、スピードは速いけど安定しているからとても安心して乗れる。
慎「離れんなよ」
「うん、わっ、」
また思いっきりスピードを出した慎太郎に、離れないように掴まってた。
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慎「はいお疲れ様」
「慎太郎こそお疲れ様」
家に着いた頃、辺りはもうすっかり暗くなっていた。
2人の家の真ん中で自転車を降りる。
慎「じゃあ、また月曜日な」
「うん、またね。...慎太郎！」
自転車を置いて家に入ろうとしている慎太郎を呼び止めた。
「ありがとね」
一瞬、ん？って顔をしたけど、慎太郎は一瞬で笑顔になって
慎「おう！」
そう言って、家に入っていった。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
