〜2月14日〜 相良夢/甘 ページ9
その日、久々の休暇だったAは、ショッピングに来ていた。恋人の相良は夕方に来ると言っていたので、夕飯の材料を買いに来たのだった。
ふと、釣り下げられたバレンタインの広告に目がとまる。
特設された手作りお菓子の材料売り場は当日だからか大分売れ残ってるものは少なかった。
(あぁ、今日バレンタインかぁ…。チョコブラウニーとか作ろうかなぁ。夕飯どうしようかなぁ)
ぼんやりとそんなことを考えながら買い物を済ませ、昼食をとってから夕飯と相良に渡すチョコブラウニーを作り、ラッピングまで済ませた。そして家を掃除してのんびりと相良を待っていると眠気が襲い、リビングで眠ってしまった。
相良「入るぞ。…って寝てんのかよ」
相良が合鍵を使って部屋に入ると、どこか甘い香りが鼻を突いた。そしてすやすやと眠っているAの横に可愛らしくラッピングされたお菓子と、部屋の隅に大きめな紙袋があることに気がついた。
スマホで日付を確認すると2月14日、これはもしかすると…と悟りはしたが、起こさないように自分の上着をAに掛けるとシャワーをしてからそのままになっていた調理器具を洗い始めた。その音でAはようやく目が覚める。
「ん…え?颯誠、来てたの?」
相良「やっと起きたか。」
「あ!洗い物してくれてたんだ、ありがとう」
ニッコリ笑うAの表情を見ると照れくさそうに頬をかいた。
相良「ん、あぁ…。」
「ごめんね、お腹すいてるよね。今温めちゃうね」
そう言って相良の上着を掛けて、作った夕飯を温め直すAを横目で見ると、無意識に相良は
相良「毎日こうならな…」
「ん?何か言った?」
相良「なんでもねぇよ」
思わず漏らしたその呟きはハッキリとAの耳に届くことなく静かに消えていった。
夕飯を食べ終えると、突然相良は持ってきていた鞄から何かを取り出し
相良「これ、やる」
相良はぶっきらぼうに押し付けるように細長い黒い箱をAに渡す。
「ありがとう…どうしたのこれ?」
相良「あーっいいから開けてみろよ」
「うん」
言われた通り開けてみるとそこにはピンクゴールドで小さなハートがついた何とも可愛らしいネックレスが入っていた。
「わっ…可愛い!ありがとう!」
嬉しくなったAは思わず相良に飛びつくように抱き着いた。
相良「だからっ!くっつくのやめろっ」
「私からも…一応チョコブラウニー作ったんだけど、もらってくれる?」
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ゆう - 一条さんのプロポーズに惚れました!!!! (2022年11月1日 18時) (レス) @page33 id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 一条さぁぁん!!プロポーズが素敵ですぅぅ!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page33 id: e9f5fada24 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 一人一人の話が長くて好きです!更新待ってます( ^ω^) (2022年7月13日 15時) (レス) @page7 id: 52318af24f (このIDを非表示/違反報告)
夢女子うさこ - 嗚呼嬉しいです相良さんいないの多かったので嬉しいです! (2022年5月29日 23時) (レス) id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年5月27日 13時