149話（轟side） ページ15
雄英で唯一、俺と爆豪が仮免に落ちた。
エンデヴァーと同じだと言われて試験のことなど忘れていた。
「(試験じゃなかったら洒落にもならねぇ。)」
ふと、自分のエンデヴァーと同じ目と髪のことを指摘した彼女の顔が浮かび、
気がついたときにはもうコール音が部屋に響いていた。
「忙しい、か」
そう通話ボタンを切ろうとしたとき、愛おしい声が鼓膜を揺らす。
【『もしもし』】
「…わりぃ、いきなり。」
【『大丈夫だよ。』】
繋がったのは良いものの、いざ口を開こうとしても言葉が思うように出てこない。
「…」
どこか迷ったような空気に、Aが優しく話し始める。
【『こっちは昨日ミニ試験があったんだけど、私また自己犠牲が多いって試験中止されたんだ。』】
「え、Aが…？」
優秀な彼女から思わぬことを聞き、率直な感想が口から零れる。
【『そう。お前のそれは自らをを危険に晒し、他人の成長を妨げるだって。
その通りだと思った。』】
「…それでどうしたんだ？」
【『頼み込んで明日再度やらせてもらうことになったよ。』】
軽く話しているが、やはり彼女は度胸がある。
そしてまるで「そっちは？」と投げかけるためにわざとこの話をしたのではとさえ思う。
「俺は今日仮免の試験を受けたんだが、落ちちまった。だが３ヶ月特別講習受けて個別テストをパスすれば発行してもらえるってさ。」
【『そっか！じゃあ何としてもそのテスト受からないとね！』】
「あぁ、後雄英で落ちたのは俺と爆豪の２人だけだ。他は皆受かった。」
【『勝己もか、』】
「…俺は幼稚だ、エンデヴァーに似てるって言われて頭に血が上っちまった。」
そういう彼の声色は明らかに落ち込んでいた。
【『…気にしてるものを気にするなって言われても難しいよね。でも焦凍は前に一歩踏み出せてるよ。”頭から拒絶すること”から”受け入れて考えること”をしようとしているんでしょ？』】
だから大丈夫。そして一拍空け
【『きっと努力家だから、そんなの当たり前にできなくちゃとか思ってるんでしょ？でもいいんだよ。そこは自分を褒めてあげてね。』】
すべてお見通し、の様に語るAの言葉にフッと息が漏れる。
「…A、もう一回名前呼んでくれ。」
【『？焦凍』】
「…」
帰ってこない声に、もう一度投げかける。
【『頑張れ、焦凍』】
「…ありがとうA。」
静かになった部屋にポツリと響く。
「やっぱりお前が好きだ」
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にのに - ご結婚だぁぁあ (2020年9月14日 10時) (
レス) id: 85146adaec (このIDを非表示/違反報告)
MAKEOVER(プロフ) - ハゲ！ばか！さん» ありがとうございます！嬉しいです＾＾ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 6f5c55dffc (このIDを非表示/違反報告)
ハゲ！ばか！ - 大変よいですね！ (2019年11月16日 20時) (レス) id: 16f3197883 (このIDを非表示/違反報告)
MAKEOVER(プロフ) - 夢桜さん» 応援ありがとうございます！最初から読んで頂いてるなんて凄く嬉しいです＾＾！ラストスパートですので、完結までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2019年8月28日 0時) (レス) id: 6f5c55dffc (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ひえぇ！！まさか2年の体育祭を見れるとは思いませんでした！！最初から読ませて頂いてます！とても内容などが好きです！！これからも無理はせず頑張って下さい！！ (2019年8月26日 13時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAKEOVER | 作成日時：2018年7月8日 14時
