出会い ページ4
Aside
「これ、係の人放課後もってこいよ〜」
国語の課題。
今そこに集めたんだから、そのまま先生が
持って行けばいいものを。
荷物が多くて持てないからと
決められた国語係。
放課後部活動がない人たちで
じゃんけんして、私に決定されたの。
しかも、国語の課題が出される日は
夏恋が習い事で早く帰らないといけない日と
被ってるおかげで
手伝ってくれる人もいない。
『今日はいちだんと多い気がする、』
「大丈夫？無理だったら誰か声掛けなよ？」
『うん、大丈夫』
「手伝ってあげたいけど、」
『大丈夫。誰か声かけるから、ね？』
「わかった！じゃまた明日ね！」
『うん、また明日』
なんて、言ったけど、声かける友達なんていないし
結局ひとりで運ぶことに。
40人いるクラス。
持つだけでもぐらついて落としそうなのに
１階まで階段で降りるなんて
無理に等しい、
けど、まあ。やるしかないし。
みんな出し終わって、誰もいなくなった教室。
積み上げられたそれをそっと持ち上げて
教室を出た。
案の定、歩くだけでも一苦労で
階段なんて危なすぎる感じ。
どうしよう、なんて思って少しの間固まった。
「何してんの？大丈夫？」
話したことのない声の主。
たぶん関西弁のその声に振り向けなくて、
『大丈夫じゃ、ないです。』
人見知りの私は、少しカタコトでそう答えた。
「あぁ、そりゃ1人はきついやろ。半分持つから貸してみ？」
『え、』
そう言って、持ってくれたその人。
絶対半分より多いよ、って
少しだけ申し訳ない気持ちになったけど、
『ありがとうございます、』
「ええよ。」
困ってたのは事実で、だから素直に嬉しかった。
名札の色を見る限り、
その人は2年生。
つまり私のひとつ上の先輩らしい。
名前の文字までは見えなくて、
結局最後まで誰かはわかんなかった。
そう、これが私と“あの人”の出会い。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜嵐LOVE - やっぱり面白すぎて何回も読みに来ちゃいますね、ゆっくりで良いので更新頑張って下さい！ (2020年6月7日 7時) (
レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - 応援してます更新頑張って下さい (2020年3月13日 17時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - この物語めっちゃ好きです (2020年3月13日 17時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たらこ | 作成日時：2020年1月2日 9時
