MTCといろいろしたい！−群青−

91.リク：貴女が中王区にヒプノシスマイクの実験を受けているところを全国に放送されたら【BB】 ページ27

「一にい！見てください、これ！」


まず全国放送に気がつくのは三郎。血まみれの貴女が倒れ込んでいるのを確認した瞬間、長男を呼び放送を見せる。

「A…！」

「なんでこんなボロボロになってんだ…？」

困惑した二郎の問いに、一郎が机を物凄い勢いで叩き悔しそうに奥歯を噛みしめる。

「あいつは中王区に絶対服従の命令をされている。ヒプノシスマイクの実験を受けろと言われて、逆らえないんだろう」

「「そんなっ…」」

「一にい…Aさんが見世物にされるなんて、僕は…許せません」

「俺もだよ、兄ちゃん！それに、このままじゃAが死んじゃうよ！どうにか出来ない？」

「…方法はある。Aのいる場所へ向かうんだ。けど、それは途轍もなく危険だ。お前たちはここで――」


「嫌だよ！俺は兄ちゃんの役に立つって決めたんだ！俺も一緒に戦う」

「僕もです！足手まといにはなりませんし…何より、Aさんを助けたい」

「お前ら…。そう言うと思ったぜ。着いてこい！」

かくして、長男を筆頭に三兄弟は大切な女性が囚われている場所へ向かう。


✤


現場にたどり着くと、彼らは倒れ込んでいる貴女を目に入れると、脇目も振らずマイクで言の葉党の党員を一掃し、貴女に駆け寄る。

「大丈夫か、A！？」

「まだ意識があります！」


「お前たちは…Buster Bros⁉」

「…俺らの大事な奴をこんなに痛めつけたんだ。倍以上で返してやるよ」

突然の事態に動揺する党員たちを睨みつけた彼らは、固くマイクを握り力強いリリックで彼女たちを蹂躙する。


「こ、このことは上に報告する！！」

「報告も何も、この映像見りゃ馬鹿でもどういう状況かわかんだろ。

こいつのことは返してもらうぞ」

一郎のその言葉の後に紡がれたリリックにより、その場に立つものは彼ら三人だけになる。


その後、貴女を自分たちの家に運び、献身的に手当てをする。
兄弟交代でいつでも貴女を見守れる人がいるようにする。

貴女の目が覚めると、下二人は目を潤ませ抱きついてくる。長男もぐっと涙をこらえ、眩しいくらいの笑顔を向ける。



「〜〜っ、やっと目ぇ覚めたのかよ…心配させんなよな！！」

「Aさんが生きててくれて…良かった。僕、頑張りましたよ…」

「おはよう、A。今からご飯作るから、ちょっと待っててくれ」



　

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