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「んっ…んん!」
なんとか顔を横にそらす。
「……隼人くん、おかしいよ…」
いつもの隼人くんじゃない…
隼人くんはこんなことしない…
じわり、と滲む涙。
白く霞んでぼやける視界。
隼人「…A」
怖くて、私を呼ぶ彼の顔を見ることができない。
下唇を噛んで、じっと涙を耐える。
隼人「……A、ごめん」
その声に、強ばっている身体からふっと力が抜ける。
隼人くんは抑えていた私の手を壁から離し、私から少し距離をとった。
ゆっくり顔を上げると、隼人くんは悲しそうな、悔しそうな表情をしていた。
どうして…?
なんで、そんな表情するの…
隼人「ごめん……ほんとに…。泣かせるつもりはなかった。……ただ、お前がアイツに優しくするから……。どうしても、抑えられなくて…」
「アイツって…?」
隼人「…須永。……お前、今日アイツの手当てしてただろ」
言われて思い出した。
お昼にケガの手当てをたしかにしたけど…
「隼人くんを一番に手当てしたよ…?」
隼人「そういうことじゃねぇよ、…ちっ」
舌打ちする隼人くんはもどかしそうに眉をひそめる。
隼人「…お前が!アイツと距離が近いから…その、……嫉妬したんだよ…!」
しっ…と……?
「……ふっ、ふふっ、ふははっ!」
笑い出した私にちょっと驚いて、「なんで笑うんだよ!」って聞く隼人くん。
「なんかうれしくて、ふっ」
頑張って笑いを耐えていると、
隼人くんは少し呆れ気味にため息をつく。
いつもの隼人くんに戻ったみたい。
よかった…
「隼人くん、ごめんね。……私、気をつけるね」
そう伝えれば、隼人くんは少し嬉しそうに微笑み、
私の頭をぽんぽんと撫でた。
隼人「俺こそ、ごめんな。怖かったよな?ほんとに悪かった」
今、私の前にいるのは、
私の大好きな隼人くん。
もちろん、さっきの少し怖い隼人くんも隼人くんだけど、
やっぱり私は、今の隼人くんの方がいい。
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コロ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます!そう言っていただき嬉しいです。私も甲斐くんが好きすぎてやばいです、3Aロス…。 (2019年3月29日 16時) (レス) id: 6ea8ed7bc9 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 甲斐隼人君と翔君と蓮君と海斗君と賢君大好きなのでドラマ終わったからロスです最高です (2019年3月29日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロ | 作成日時:2019年3月24日 16時