5話 ページ6
意外とあっさり認めたので水上先輩の男気は嘘だったのかもしれない。
だからといって特に気に留めることもせず、海先輩の方へ向き、交換しようと言おうとしたが
「なんやこれ。めちゃめちゃウマいやん。え、もっと頂戴」
「イコさんのラーメンもうまいッス!交換しましょ!」
海先輩に突っかかってたはずのイコさんはいつの間にか和解して食事交換していた。私のチャーハン…。
「ええ…」
「あらら」
「海…あいつ…」
「ははは」
少し落ち込みながらも、任務もあるのでのんびりせずに食べ始める。ちょっとした茶番をしている間にカツカレーは少し冷めていた。
「ほな、ちょっと落ち込んでるおつるちゃんに」
ほい、と言って隠岐先輩は自身の器に入っていた唐揚げを一つ取って私のカレーの上にのせる。
「おつるちゃんにあげる。その代わり一口ちょーだい」
「え、あ、ありがとうございます。」
そう言われ、お礼を言ってから私も同じように、少しカレーがついたカツを一つ取って隠岐先輩の白米の上におくと、そう来たかーと言う。
「なにがですか?」
「いや、カレー掬ってあーんかと思ったのにカレーやなくてカツの方渡してきたからな」
「え、えー?それは流石に恥ずかしいですよー」
面白い冗談言いますねー。それほどでもー。と二人ではははと笑い合いながら、お互い交換したものを食べる。うん、この唐揚げうまい。
「なんや隠岐とおつるちゃんがいつの間にかカレカノみたいな事しとるやんけ」
「いやあんたらも十分カレカノっぽいすよ」
「カレカノ…?あ!おつるチャン!カレーちょうだーい!!」
「今かよ」
「てかあんたら、そんなんやってへんで、はよ食べや。この後防衛任務あるやろ」
と、わちゃわちゃしている生駒隊にそう言う。
「あれ、生駒隊も任務あるの?同じ同じ!」
「?何言ってんねん。今日ウチとAで合同任務やろ」
「え?そうなの?」
「おつるちゃん忘れてたんかいな」
はははと笑う隠岐先輩。どうやら今日の任務は生駒隊とだったらしい。え?そうだっけ…。
「?」
「きょとんってしてるおつるちゃんも可愛い」
「はいはい。取り敢えずはよ防衛任務行くで。もう時間ヤバイし」
真織ちゃんがそう言うので時計を見るとあと15分しかない。
「ホントだ。」
席から立ち上がり、皆で食器ののったトレーを返却口に返しに行く
食堂から離れて、真織ちゃんは隊室へ。真織ちゃん以外の生駒隊と私で雑談をしながら任務の場所へ向かった。
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あすか - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください! (2022年11月30日 20時) (レス) id: 1e4bb1c648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーた | 作成日時:2021年12月12日 15時