私にも守れたら (ページ44)

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41話ページ44

「おや〜？」

「おやおや〜？」

「おやおやおや〜〜？」

「くっ…！嵌めたな！」

しくじった。奴らは私にこれを言わせたいが為につるまをわざと連呼していたのか。

こんな馬鹿すぎる罠に嵌るなんて…と、かなり恥ずかしいし、こいつらに嵌められたという屈辱も湧いてくる！

「何のことだ？俺たち、普通に話してただけだろ」

「うんうん」

「お前が勝手につるまって言い出してびっくりしたからな〜」

嘘をつくなよ。その顔は絶対嵌めた顔してる！
よくそんな嘘通じると思ったよなってくらい見え透いた嘘。ちょっと許せないな。

てか、急に呼び方戻す荒船さんもどうか…と……って

「もしかして、荒船さんもグルですか！？」

「あー、うーん…」

「あ、荒船さんしらばっくれてる！」

「おれたちが誘った時結構ノリ気だった癖に〜！」

「あ、お前ら！」

酷い…冗談のつもりで聞いたのにまさか本当に荒船さんまでグルだったなんて。荒船さんはこの変な人が多いボーダーでもまともで優しい分類の人だと思ってたのに。

「ショックです」

「悪い悪い。今言ったら言い訳に聞こえちまうとは思うんだが、実は、お前が最近疲れた顔してたからちょっと励ましてやろうと思っただけなんだよ」

「…ん？」

「お前、高校受験あったんだろ？だから、ちょっとした茶番で元気になってくれたらってよ」

本当だぜ？と付け足す荒船さん。
遊真を呼んで嘘かどうか確かめたいところだけど、この声のトーンや表情的に嘘ではなく、自然に話していることがなんとなく分かった。

「そうだったんですか。なら今回は感謝します。ありがとうございます荒船さん！まあできればつるまではなくかくまって呼んでほしいんですがね！」

「ああ、そうだな」

お！荒船さんが心を切り替えちゃんと呼んでくれるそうだ！ちゃんとお願いはしてみるもんだね！

「じゃあ、出水先輩達も荒船さんと同じ理由で？」

「あ〜、おう！そう…」

「いや、コイツラは完全に遊んでた。顔が物語ってたぞ」

「エッ！荒船さん」

はい許さない。私のコンプレックスを遊びで刺激して許されると思うなよ(小さな器)
もう二度とランク戦やってやらない！もし引きずり込まれたら通報してやる。

「え！通報はやりすぎでしょつるちゃんせんぱ〜い！」

「知らないね。覚悟しろ！」

「まあまあ落ち着けよつるま」

「私はストレスが溜まって…って先輩かくまって呼んでくれるんじゃないの！？」