私にも守れたら (ページ23)

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20話ページ23

「ただいまー」

「お邪魔しまーす」

遊真と二人で先頭に立ち、扉を開ける。陽太郎と千佳ちゃんは後ろで会話しながら待っている。

「おかえり、遊真…と鶴間か」

久しぶりだな、と言うレイジさん。

「はい、お久しぶりです。急に訪ねてすみません」

「構わない。どうせ陽太郎が強引に飯に誘ったんだろ。まあ、宇佐美とか京介も久しぶりに会いたいだろうしな」

「ありがとうございます」

ではお言葉に甘えて…と、遊真とリビングへ失礼する。千佳ちゃんと陽太郎はレイジさんと喋っている。

「あ、遊真くんおかえり〜…ってAちゃんじゃ〜ん！久しぶり〜」

「ただいま、栞ちゃん」

「お邪魔します。久しぶりです、宇佐美先輩」

にこやかな笑顔で迎えてくれたのは、玉狛のオペレーター、宇佐美先輩。明るくて優しい宇佐美先輩は大好きです。

「お〜、よく来たね〜！座って待ってて。今お菓子持ってくるから！」

「はい、ありがとうございます」

そう言って駆け足で退室する宇佐美先輩。言われた通り、付近にあった椅子に腰掛けた。

あ、お母さんに連絡入れないと…

ふと思い出し、鞄の中から携帯電話を取り出し、母親の連絡先を探す。
電話帳に入っている名前は、ほとんどボーダー隊員。同じ学校の人の連絡先は皆無である。

お、あった。
見つけた母の名前をタップし、電話をかける。まもなく対応してきた母に、玉狛で飯を食べるのでいらないと伝えると、快くOKをしてもらう。
ありがとうと伝え、電話をきり、鞄にしまう。

「ふむ、ツルマはケータイに詳しいのか？」

「え？いや、言うほど詳しくはないけど」

こちらをジッと見ていた遊真が私にそう尋ねる。
なんで？と聞きたところ、どうやら最近スマホを買ったらしいが、使い方がイマイチなんだと。
ちょっと貸してと言って見てみると、ロックも掛かっておらず、ホーム画面もすかすか。いかにも新品って感じ。

「でんわとかできたら便利なんだが…よくわからなくてな」

しばらく遊真のスマホを見ていると、困ったように呟く遊真の声がする。

「電話の仕方とかならわかるよ。教えようか」

「おっいいの？サンキューツルマ」

「うん、じゃ言うね」

遊真のスマホを返し、私の携帯も取り出して指を指しながら説明していく。