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「桜火の呼吸ー……」

Aさんが息をする。それと同時に、炎が舞い散る。
俺は、Aさんから受け取った鉄扇を握っていることしかできなかった。
舞い踊るように鬼を切っていくAさん。




「炭治郎くんっ!」

「は、はい!!」

「怪我、怪我ない!?」

「ない、ないです」

「本当に!?」

鬼を全て倒したAさんは、まず先に俺の心配をしてくれた。

「あ、あの」

お面をつけてないためか、いつもより距離が近く感じる。
こんな迷惑をかけて、俺は何がしたかったんだろう。

「好きです!!!」

会いたい、だけではなかったんだ。
こうして、気持ちを、伝えたかったんだ。

「Aさんが、好きです!!!」

一度伝えると口から溢れるように溢れ出す。
好き、という言葉。
止められない。

「好きです……好きなんです!!!」

「ま、ままま待とう、待とう炭治郎くん!」

「はい!好きです!!」

「だから……!!」

数分して俺はやっと落ち着いた。
ずっと胸がドキドキしている。Aさんといるといつもそうだ。
Aさんは顔を抑えて、パン、と頬を叩いて俺の方を向いた。

「まずは、炭治郎くんを鱗滝さんの家に送る。いいね?」

「はい!!」

鱗滝さんにはすごーーーく怒られた。すごく怖かった。
Aさんは次の朝に出ていくと言って、禰豆子の頭を撫でていた。

「あ、炭治郎くんお疲れ様」

俺が部屋に戻った時、月光がAさんを照らしていた。
暗がりでよく見えなかった顔がよく見える。
やはり、水の底のような目の色をしている。

「炭治郎くんも寝なよ。明日も修行でしょ?」

「はい……」

「次は追いかけたりしないでね」

「もうしません!」

俺は眠る体制をとると、瞼を閉じた。

「……頑張ったね、炭治郎くん」

額に、柔らかい感触がした。

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花帆 - 年上夢主さんに甘えてしまう炭治郎本当に可愛い(大好物)ので読めて嬉しいです! わぁ、また書かれた際はぜ拝読できるのを楽しみにしておりますね(*´ω`*)  (2019年9月2日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます!お兄ちゃん炭治郎が年上相手にどうするのか書いてみたかったので、好きになっていただけてよかったです^ ^続編もできたら書いてみようと思います。応援ありがとうございます( *`ω´) (2019年9月2日 17時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 鈴香さん» コメントありがとうございます!時間ができたら頑張ってみます!応援ありがとうございます(`・ω・´) (2019年9月2日 17時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 一気に読ませて頂きました!年上に恋する炭治郎めっちゃ良かったです(*´ω`*) 可愛い…鬼殺隊に入ってからの炭治郎めっちゃカッコ良くなりますし、両想いになるまでやなった後もすごく見てみたいです…!続編も読めると嬉しいです(o>ω<o)受験ファイトです! (2019年9月1日 12時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - この作品すごく好きです!!続編や番外編!楽しみにしてますね!受験頑張ってください!(*´ω`*) (2019年8月6日 15時) (レス) id: 433bf9ff90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年4月30日 1時

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