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エイプリルフール編その4 ページ30

全く安心しようのない言葉をかけてから、不動はふと気が付いた。
「そういえば、東雲はそこまでおかしな恰好をしていないな」
「確かに、言われてみればそうですね。何時もと同じ様な気が…」
そう言ってから、廣瀬は気が付いたようにあっと声を上げた。
「東雲さん、ネックレスなんてしてましたっけ?」
確かに、不動の記憶の中では東雲はそういったものを付けていなかったような気がする。
ネックレスに気が付いてしまえば、他にも気づくことがあった。
「指輪やブレスレットもしているな」
そのどれにも繊細な細工が凝らしてあって、アクセサリーに疎い不動でも相当な高級品だろうとわかった。だが、以前美影の意図はつかめない。
「わっ、本当なのです!きれいなネックレスなのですっ!」
東雲がぴょんぴょんと子供のように飛び跳ねる。
不動はこんな時だというのに、一瞬微笑ましい心地がした。
と、また漆黒の玉が新しい犠牲者を運んできた。
ぼとりと吐き出されたそれは、木の枝のような角の生えた大きな人間だった。

「わぁ、せ○とくんです!」
真っ先に反応した東雲が駆け寄ろうとするのを、廣瀬が慌てて止めた。
「駄目です東雲さん!あんなあからさまに怪しいのについていっちゃ!」
それを甲冑のお前が言うのか?不動は心の中だけでそう思ったが、すぐにその声はせんと〇んによって代弁された。
「あっはは、いやあ、それをご丁寧に鎧着こんだ戦国武将が言いますかー。
いや、鎧がセーフで着ぐるみが駄目ってことは、もしかすると君、俺の友人じゃなく、顔がよく似てるだけの戦国時代からの時間旅行者だったりしますー?」

それを聞いて、不動はこの着ぐるみの中身に思い当たった。
「山吹か」
「大正解ですー」
予想外すぎてもはや変だの可笑しいだの言う気も削がれた。
どうでもいいが、不動は男女の仮装の差がとても美影らしいと思った。
「違いますよ、廣瀬です!」
律儀に訂正する廣瀬。
「やーすいません、ところで何国の廣瀬さんですー?苗字もちだなんて珍しいなあー」
「千葉県木更津市の廣瀬です!」
東雲は中身を聞いて興味をなくしたようで、廣瀬の兜を調べている。

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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります! ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです!更新待ってます!! (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい! おかげさまで突入できました! 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神羅 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年4月27日 0時

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