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第二次世界大戦(太平洋戦争)末期の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分、アメリカ軍によって日本の広島市に対して世界で初めて核兵器が実戦使用された。原子爆弾は投下から43秒後、地上約600メートルの上空で目もくらむ閃光を放って炸裂、小型の太陽ともいえる灼熱の火球を作った。火球の中心温度は摂氏100万度を超え、1秒後には最大直径280メートルの巨大な球体となり、爆心地周辺の地表面の温度は3,000〜4,000度にも達し、周辺地域及びそこに生きる住民たちに甚大な被害をもたらしたという。
その通り名を「Little boy」。日本語訳は「悪ガキ」である。
さて、これは極秘事項だが、木更津直下第一実働特科遊撃部隊_通称
これは日向側の社会にその身を曝すにあたってよりよく自らの影たることを隠すためであり、また数ある敵対組織あるいは彼らを快く思わない何者かによって任務が妨害されることを未然に防ぐための手立てでもある。
彼らが影のままに光に溶け込むために、これらは無辜の一市民の何気ない日常的会話の一幕を飾ってもまったく違和感のない言葉であることを要求される。このような符牒を一朝一夕に作り上げることはいくら彼らといえど容易いことではない。
だから、更科は自ら暗号表を作らず、特定の条件下でのみ日常の会話に対応するもう一つの意味を作り、表の意味と裏の意味を対とした。いわば一種の隠語である。
例えば、「お早う」と変換できるため「おはよう」と「即時の仕事」を
例えば、「両が解である」と読めることから「人々」「中々」など「〇々」と二度同じ音を読む言葉と「了解」を。
そして、爆弾の代名詞たるlittle boy_悪ガキのふるまいから、「大人をからかう」と「爆弾」を。
それの意味するところはつまり__
肩に入っていた力が抜けて、露草は息を吐いた。
「いや、今回ばかりは少し危なかったかな。ありがとう、ライルくん」
「ああ、危ないところだった。お前の知らせるのがあと数秒早ければ、もっと安定して箱庭を展開できたんだがな」
「ははは・・・」
乾いた笑いが響くのは、ライルの異能である箱庭の内部。
爆発の瞬間、ライルが自身の異能を展開し、睦月と露草を内部へ取り込んだのだ。
時間の限られた中で振るわれたその手腕は素直に称賛するに価するだろう。
睦月は素直にそう思った。
「しかし、あんな場所に爆弾を仕掛けたのは一体誰なんだ?」
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります! ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです!更新待ってます!! (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい! おかげさまで突入できました! 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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