【鬼滅の刃】新しい隣人は、私の推しでした。

第15話 俺が笑顔にさせてやりたい ページ18

〜炭治郎side〜


「本当に大丈夫か？」
『はい、時間もたって落ち着きましたし！』




電車の中でのAちゃんからする恐怖の匂いは尋常ではなかったし、それは依然として薄まることなく濃いまま

なにか俺にできることはないのだろうか
そう思って聞いてみるも、Aちゃんは『大丈夫』と繰り返す



嘘の匂いを振り撒きながら。







「そうか… もし何かあったら直ぐに俺を呼んでくれ。」
『ありがとうございます！でも、本当に大丈夫ですので！！』




というか、匂いを嗅ぐまでもなくAちゃんの心の中はぐちゃぐちゃだって分かった

ぐちゃぐちゃになった心に無理に蓋をして笑っている




自分の部屋に戻ったあとも、彼女の辛そうな笑顔が頭の中から離れなかった




『ううっ…』




隣の部屋から声がした
Aちゃんだ。

独りで苦しんでるんだ


また、あの笑顔が脳裏に浮かんだ
あんな笑顔をして欲しくない
いつもみたいに心から笑って欲しい



俺が、Aちゃんを笑顔にさせてやりたい。






「よし」



体を起こしてスタスタと外に出る
向かう先はもちろん。





ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

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