《其ノ壱 牛鬼》 ページ10
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「今から、随分前の話なんじゃがな。一人の人間に憑いた鬼が、村の住民を大量に殺してしまったんじゃ。鬼ごとその人間を鬼怒神社に封印した、という昔話がある。」
祖父から告げられる昔話に、茉鯉は目を見張った。
「茉鯉が会ったという男性は、その憑かれた人間が風化して、祟り神となった者なのかもしれないな。」
祖父の衝撃的な発言によって、茉鯉の煎餅を持っていた手が静止したかのように止まる。
「そう、なんだ…。」
あの男性は、神様なのだろうか。
茉鯉の頭にあの男性の笑顔がよぎる。優しい笑顔で、まるで昔人を殺したなんて思わせないような、そんな笑み。
煎餅を口に含んで、噛んで飲み込む。茉鯉の亜麻色の髪が頬をくすぐるが、茉鯉は気にも留めずに祖父に質問をした。
「…おじいちゃん、鬼ってなに?」
遠い夜空を見上げて、視線を上から下へ下げて、静かに目を伏せた。そして、まるで鬼を見たことがあるかのように、懐かしいような語り口で静かに述べた。
「鬼は、人から生まれる。鬼となったものはみな人間で、計り知れない苦しみを味わった者が多い。とても遠い存在のようで、案外近い存在じゃ。鬼はどこにでもいる。学校に、家に、職場に、本当にどこにでも。昔から、そう言い伝えが広まっていた。」
「…そっか、ありがと」
茉鯉は優しく微笑み、鬼の話を終わらせる。
鬼とは何か。
それはきっと、自分が考えているよりも重くて、そしてなによりも辛くて悲しいことなのだろう。だからこそ、重たい話を区切りをつかせたかったのかもしれない。逃げるかのように、茉鯉は別の話題に変えたのだった。

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いふ(プロフ) - 幻想作家さん» アドバイス感謝いたします…!私は昔の言葉に弱いので、そういうアドバイスなどは大変ありがたいものです!応援誠に感謝いたします。これからも学びながら書いていくのでお見苦しい所があるかもしれませんが、頑張らせていただきます! (1月17日 22時) (レス) id: ca7a82974a (このIDを非表示/違反報告)
幻想作家 - 指慣らしはフィンガースナップといいますが和風なら「指を鳴らす」だけで大概は伝わるでしょう。オリジナルでここまで細かく面白いものは中々作れないと思います。ブックマークするので頑張ってください。 (1月17日 20時) (レス) id: ab3b389dea (このIDを非表示/違反報告)
いふ(プロフ) - 人見さん» ぴ゛ゃ!?コメントいただくとは思っても見なかったのでリアルで変な声が出てしまいました…。ご感想ありがとうございます!マイマイ並みの更新速度ですが、頑張らさせていただきます!! (1月14日 16時) (レス) id: ca7a82974a (このIDを非表示/違反報告)
人見(プロフ) - 「〜しやがれ」とか些細な表現がコミカルで面白いです!更新頑張ってください!応援しています (1月14日 13時) (レス) id: 882ef10c58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いふ | 作成日時:2021年1月5日 17時