占いツクール
検索窓
今日:2 hit、昨日:26 hit、合計:2,910 hit

《其ノ壱 牛鬼》 ページ6

.



死にたくないという思いと、殺されるという恐怖から過重した体を働かせ、茉鯉(まつり)は靴も履かずに家を飛び出した。頭の中では困惑しており、叫ぶことも誰かに助けを求めることもできない。心臓の打つ音がはっきりと聞こえてくる。


いやだ、いやだ、いやだ。殺されたくない。死にたくない。まさか、小識(こしき)は、小識(こしき)はあの人に殺されちゃったの?


どうすればいいかもわからずに茉鯉(まつり)は走って、走って無意識にあの神社を目指していた。左右の景色は瞬く間に流れていき、息を入れ替える度に肩が激しく上下に揺れる。夕暮れと暗い夜空が混ざり合う空の下で、茉鯉(まつり)は「死にたくない」とそれだけを願って、足を必死に動かしたのだった。




◆❖◇◇❖◆❖◇◇❖◆❖◇◇❖◆




格子扉に勢いよく背を預ける。何分間も走っていて体力が無かったからなのか、投げやりになっていたため、格子扉に頭を軽くぶつけ、格子扉は少しばかり小刻みに揺れていた。制服の手絡(リボン)をぎゅっと掴んだ。口から何度も空気を吸っては出して、という行為を繰り返した。


「なん、で。どうし、て…!」


女は神社の石畳の上を素足で歩き、茉鯉(まつり)に一歩ずつ確実に迫ってきていた。女の足を見て、茉鯉(まつり)も今は靴下で歩いていることを思い出す。だがすぐにそんなことは頭から出て行ってしまった。迫ってくる死。そして、死への恐怖。


「誰、か。だれか」


目のふちに溜まる涙。次第に荒くなって、乱れていく呼吸。
気が付けば目の前に立っている女に確実な死の予感が頭によぎる。


「だれか、たすけて…!」







.







.








__今まで散々私の「助けて」を無視してきたくせに。

《其ノ壱 牛鬼》→←《其ノ壱 牛鬼》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定キーワード:和風 , オリジナル , 怪奇物   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いふ(プロフ) - 幻想作家さん» アドバイス感謝いたします…!私は昔の言葉に弱いので、そういうアドバイスなどは大変ありがたいものです!応援誠に感謝いたします。これからも学びながら書いていくのでお見苦しい所があるかもしれませんが、頑張らせていただきます! (1月17日 22時) (レス) id: ca7a82974a (このIDを非表示/違反報告)
幻想作家 - 指慣らしはフィンガースナップといいますが和風なら「指を鳴らす」だけで大概は伝わるでしょう。オリジナルでここまで細かく面白いものは中々作れないと思います。ブックマークするので頑張ってください。 (1月17日 20時) (レス) id: ab3b389dea (このIDを非表示/違反報告)
いふ(プロフ) - 人見さん» ぴ゛ゃ!?コメントいただくとは思っても見なかったのでリアルで変な声が出てしまいました…。ご感想ありがとうございます!マイマイ並みの更新速度ですが、頑張らさせていただきます!! (1月14日 16時) (レス) id: ca7a82974a (このIDを非表示/違反報告)
人見(プロフ) - 「〜しやがれ」とか些細な表現がコミカルで面白いです!更新頑張ってください!応援しています (1月14日 13時) (レス) id: 882ef10c58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いふ | 作成日時:2021年1月5日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。