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一世一代で告白した同じクラスの優太くんに見事にフラれた。友達としては好きだよ、と、ありきたりな決まり文句。それなりに期待してた。みんな名字呼びなのに私だけ名前だったり、バイト先によく顔出してくれたり、電話だって頻繁だった。
あてもなく走り出して着いた先は、バイト帰りに何度か優太くんと2本入りのアイスを半分こしてブランコに揺られながら他愛もない話に花を咲かせていた小さな公園。ベンチに座り、振り返る。
__ 岸「俺、この時間すげー好きなんだよね」
__ 「え?」
__ 岸「Aとこうやってアイス半分こして食べんの」
私も好きだった。拭いても拭いても溢れてくる涙に膝を抱えて蹲った。
『パンツ見えてんぞ』
「………え、」
顔を上げると先程、廊下で振り払ったはずの平野が立っていた。
……え、ちょっと待って、どうして?
『つーかお前バカか?』
「………なんで、」
『泣くかパンツ見せるかどっちかにしろよ』
「……はっ?!」
慌ててスカートを整えて足を下ろした。着崩されたワイシャツのボタンはしっかりと2個目まで開いていて、筋肉質な二の腕がチラつく。染められた茶髪が太陽の光に照らされて眩しかった。
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まきこ(プロフ) - 全部のお話すごく好きです!!甘えてくれる紫耀くん可愛すぎますね!またいろんなお話読めるの楽しみにしてます^ ^ (2021年2月14日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年2月7日 1時