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同じ量の愛を与えていたつもりだった。私なりに、本気で彼と向き合っていたつもりだった。秤にかけたって彼にとっては何の意味も成さない私の愛情はいつから偏ってしまったの。






「別れないよ」
「え?」
「終わりにするなら俺は死ぬ」
「紫耀、」






蔑んだ目で遠くを見つめた。ポケットの中、いつの間にか再び強く握られた紫耀の手のひらは凍りそうな程、酷く冷め切っていた。恐怖を感じるよりも先に、彼の場合、本当に死んでしまうのではないかと軽々しくも、そう思ってしまった。






「言ったじゃん」
「何を」
「死ぬ以外はなんでもしてあげるって」






意味が分からなかった。死ぬ以外ならなんでもしてくれるんでしょ?だったら、叶えてよ。貴方の中の優先順位を変えてしまう程の愛を捧ぐ相手が私なら、そんなのお安い御用でしょ?






「お前と俺が離れることになるなら俺は存在する意味がない」






死んだも同然だ、と、易々と言葉を並べた。
死ぬ=別れること、と言いたいのだろうか。






「どうして私を選んだの」
「Aが俺を選んだから」
「それなら誰でも良かったってことじゃん」
「本気でそう思ってる?」






そんなことを本気で思ってたら、今頃、貴方の隣を気高く歩いていない。立ち止まり、微塵の濁りも見えぬ澄んだ瞳が私を捉えた。色濃く見えていた景色も、いつしかモノクロに染まり、光を失った。だけど、紫耀だけは眩しかった。星屑の中で一番に煌めくシリウスのように、私にとっては、ただ1つの耀きだった。





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まきこ(プロフ) - 全部のお話すごく好きです!!甘えてくれる紫耀くん可愛すぎますね!またいろんなお話読めるの楽しみにしてます^ ^ (2021年2月14日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年2月7日 1時

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