Colors 【短編集】

関係性:志麻 センラ ページ24

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　「俺の方が好きやろ？」

　「いやいや、Aが好きなのは俺やん？」

　「ここ教室。周りに人いるから。近い、離れて。」

　はぁ、とため息をついて２人から逃げるために席を立つ。周りのクラスメイトはいつものことかと見向きもせず自分達のお喋りに夢中。

　「そんな照れんでもええから。」

　「それは俺と２人きりになりたいってこと？」

　「２人ともはずれ。」

　そもそも、この２人何が面白くて私にこんなことを言ってくるのだろうか。イケメンだと同学年どころか他学年にまで名前が広まっていると言うのに。彼女募集の立札でも立てたら多分数分どころか数秒で候補現れるよ。

　「ていうか、志麻はただの幼馴染みだし、センラはただの従弟でしょ。そろそろ私からかうのもやめてくれない？」

　昔からセンラが叔父さんたちと来てたとき志麻は何やら機嫌が悪かった。高校に入ってセンラが同じ学校だと発覚したときは何時にも増して、眉間にシワを寄せていて

　センラも遊びに来た時志麻が一緒だと分かりにくいけど顔をゆがめていたし。


　仲が悪いのかと思いきや、結構気が合うようでよく２人で喋っている。しかも、何を話してるのか知らないけど結構盛り上がってるし。

　「ただのって何やねん。俺とAの仲やん。ちっさい頃は一緒に風呂入ったり…。」

　「そんなん、俺だって入ったことあるから。それに志麻くんと違って俺とAは血が繋がってるんやし。」

　「何年前の話してるの、」

　これ以上２人に付き合ってられない、と教室を飛び出す。図書室にでも逃げよう。後ろの教室から何やら聞こえてきたけど聞こえないふりをして早足に教室から離れた。



　「「本気やのに。」」







　３人の関係性。

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