言いたいこと:そらる ページ18
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「先輩先輩、聞いてください。」
「何、」
「今、面倒だって思ったでしょ先輩。」
私にはお見通しなんですよ?なんて笑う一つ年下のA。同じ部活で何故か懐かれて、今ではたまにだけど一緒に帰ることもあったりする。
「さっさと帰ってゲームしたい。」
「先輩、ほんとゲーム好きですよね。」
Aはゲームをしないらしい。というか、今までゲームというゲームをしたことがないらしい。俺には信じられない。
「好きだよ。」
俺の言葉に目をぱちくりと開かせたA。…俺何か変なことでも言ったかな。
「先輩、今の知らない人が聞いてたら先輩が告白したみたいですよ?」
先輩はそんなつもり一切ないでしょうけど、とクスクス笑うA。…あぁ、そういうことか。ゲームっていう主語を入れるの忘れてたな…。
「気を付けるよ。それで?」
「そうしてください。先輩、女の子から人気あるんですし。…え?」
そんなことない、なんて全否定。俺の同級生がAに冗談で言っただけなのにコイツはいつまであの嘘を信じてるんだ…。何度も嘘だって言ってるのに信じないし。
「聞いてって言っただろ…?」
「聞いてくれるんですか…!?実はですね…!!」
パッと顔を上げて目を輝かせて腕を広げたA。そのまま俺の前に出た。Aの身体が横へと吹っ飛んだ。
目の前が突然真っ暗になって、目を開ければ、そこには真っ赤な水たまりに体を横たわらせたAの姿。
「は…?A…?」
何回も何回も、名前を呼んでも、いつもみたいな返事は聞こえてこない。
「何、寝てんだよ…。さっさと目を覚ませよ…。何、言おうとしたんだよ。なぁ…っ!!目ぇ、開けろって!!」
Aの頬にぽつりぽつり、雨が降る。俺の頬に雨が伝う。否、それは両方とも俺の目から流れるなみだ。
この後も、Aの目に俺が映ることは二度と無かった…。
なんて言うつもりだったんだよ…。
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蒼(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!!好きだと言っていただけてテンション上がってます!ゆきさんもお身体にはお気をつけてくださいね! (2018年12月3日 8時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - スイ(さぶ)さん» 分かりました。坂田さんですね!せっめいありがとうございます、助かります。早めに書き上げられるよう頑張ります! (2018年12月3日 8時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - こういう短編好きです…!!(ほとんどコメントしたこと無いので、ちゃんとした日本語になってるか心配です) 読んでて楽しいので、次も楽しみにしてます!! 寒くなってきてるので、お身体には充分お気をつけください…!応援してます!! (2018年12月2日 18時) (レス) id: e3b7ecda00 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(さぶ)(プロフ) - ありがとうございます!!坂田さんで、試験前の勉強会をしてて途中で告白する…みたいなのって可能でしょうか…。語彙力なくてすみません。幼馴染だとかの設定は作者様が書きやすいようにして頂いて全然大丈夫です!よければお願いします… (2018年12月2日 0時) (レス) id: 9fca0c060a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - スイ(さぶ)さん» 楽しんでいただけて凄く嬉しいです!ぜひぜひお楽しみください(あってるのか?)リクエスト嬉しいです、いつでも受け付けております!お待ちしています。 (2018年11月29日 22時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
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