Feelings

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頬を軽く叩いてみるけど、痛みが走って夢じゃないことはわかる



……あのとき
４人でデビューする…と伝えられたとき。濱ちゃんも俺も、諦めきっとったのに


流星だけは、諦めなかった。絶対に７人デビューする…って

その姿勢を見て、俺も前を向くことが出来た



そして晴れて夢のデビューをして、さあ頑張ろう。これからも、ずっと頑張ろう

そんな思いで突っ走ってきたのに


……俺の先を走っていた流星が、辞める？



「お、れも…ほんまは、流星におってほしいけど。流星の意見を、尊重したいから…反対は、できん」

「………望」



震える声で言ったのんちゃん



「…俺も尊重してあげたいけど。けど流星は、グループに必要な存在やから…ていうかみんな抜けちゃあかんから……賛成は、したくない」

優しい濱ちゃんは、こんなときも穏やかにしゃべる



「…」


みんなが自分の意見を言っとるのに

…おれは、なにひとつ言葉がでえへん


ただわかるのは、どうしようもない怒りがこみ上げてることだけ



「………」

再びソファに座ってひたすらに黙り込む俺を、流星がちらりと見やる


目が合ってしまったら、もうだめだった
いいや、ぜんぶ吐き出してしまおう



「…流星の夢って、そんなすぐに変わるちっぽけなものだったん？」

「………へ？」


「あの時絶対デビューしようなって……諦めないって、流星が言ってくれたのに。

死に物ぐるいで掴んだ夢なんやで？ドームも成功して


……なのに、５年も経たないうちにやめるなんて。あの時のお前の強い意思は、なんだったん。だったら最初からジャニーズ辞めてファッションの道進めばよかったやろ」



畳みかけた言葉に、口をあんぐり開ける流星



「………勝手に辞めれば？」


最後にそれだけ吐き捨てて

そばにあった荷物を取り、静かな楽屋を出た



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