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『A、あしたちゃんと話そう』



その夜、ナツミから届いたメッセージ

それに返信することはせず、憂鬱な気持ちで家のドアを開けた


…お願いだから、今日は機嫌を損ねませんように





「あ、A。おかえり」

「ただいま。…ご飯、つくるね?」


ソファに座ってテレビを見ているレンは笑顔で、とりあえずほっと息を吐く


毎日彼の顔色を窺う生活。…神経がすり減りそうだ

心が安らぐはずの家で、どうしてこんなに気を張らなきゃならないんだろう


笑顔を貼り付けてキッチンに向かうと、立ち上がった彼は、私のあとをついてくる



「…どうしたん?」

「今日の夜ご飯はな………」



途中で声が途切れる

……いやな予感がして後ろを振り向くと、その顔は笑っていなかった


「………男の匂いするんやけど」

「へ………」


低い声で呟かれたその言葉

男の、匂い………
と、考えたところではっとする


小瀧くんの、香水だ。ブランド物なだけに、今もなお私の手からは爽やかな匂いが香る


ああ。私、あほや…なんでこうなることを想定しなかった?



「あ、ちゃうよ。あのな?お店でつけてみてん」

「……知ってた?A、嘘つくと首触るんよ」


そういった彼は
片方だけ口角を上げたあとに、思いっきり私の頬をビンタした



「いっ………」

そのあまりの勢いと痛さに倒れこむと、ぐっと私の髪を掴み上げる


「浮気したら許さんて言ったよな?学習しない子やね」

「う、わきやないっ……!」


……髪の毛が抜けるんじゃないかってくらいの強さに、自然と涙がこみ上げる


なんで……

なんで、私がこんな痛い思いしなきゃあかんの?悪い事、した?


その痛みに耐え続けていると、突然緩められる手


床に倒れる私に馬乗りになった彼は、とんでもないことを言い放った



「一週間、大学行くの禁止」

「………は」

「Aには、反省期間が必要みたいやから」



口元だけ笑うレンを
私は今、どんな顔で見つめているのだろう


…一週間?

課題提出もあるのに…無理やって、そんなの



「も、もう、話さんから、お願い……行かせて」


「だーめ

言うこと聞かなかったら………わかっとるよな?」



両手で軽く首を絞める仕草をした彼

…怖い
逆らったら………殺されるのかな



恐怖で洗脳された私は、首を大きく縦に振るしかなかった



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tomo(プロフ) - しばさん» わ、そんなこと言っていただけて光栄です(;;)更新がんばれます、ありがとうございます☆ (2018年6月18日 1時) (レス) id: 637dd197ef (このIDを非表示/違反報告)
しば(プロフ) - とても面白いです!!キュンキュンしながら見させて頂きました(^^)しげのものんちゃんのもすごくいいです!これからも頑張ってください! (2018年6月17日 11時) (レス) id: cbf0396e49 (このIDを非表示/違反報告)
tomo(プロフ) - 彩果さん» コメントありがとうございます☆重岡くんはとっても書きがいがあります(笑)近いうちに続編考えときます(^^) (2018年6月17日 0時) (レス) id: 637dd197ef (このIDを非表示/違反報告)
彩果(プロフ) - 今回のお話もすごく面白かったです!tomoさんが書く重岡くんのお話大好きです!続編希望です、、 (2018年6月15日 23時) (レス) id: f75f618622 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tomo | 作成日時:2018年6月14日 19時

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