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197.指輪 ページ47

 






 長い時を埋めるようなキスに

 蕾のまま咲かずに止まってしまっていた

 心の花は一気に咲き誇る。


 ゆっくり離れる唇を目で追い、

 そのまま杏寿郎を見つめると、彼は顔いっぱいに笑った。


「A。会いたかった。」


「ふふ。私も会いたかったよ。早すぎるけど…」


「俺はせっかちなんだ!君も知っているだろう?」


「せっかち…すぎる。でも、杏寿郎はみんなを守った。

 最強の鬼殺隊だよ。世界で1番格好良い英雄。

 …誰よりも強くて優しい私の恋人。」


「君にそう言われるのは何よりも嬉しい!

 しかし、ひとつだけ確実に間違っていることがある。」


「え?何も間違っていないと思うけど…」


 杏寿郎は私が持っていた花冠を私の頭の上にそっと乗せ、

 懐から何かを取り出すと私の左手の薬指につけた。


「あの時の落とし物だ。」

「指輪…」

 薬指には柘榴石とダイヤがきらりと輝く。

「それから…」


 杏寿郎は優しく微笑みながら、婚約指輪の上に、

 さらにもうひとつの指輪を私の薬指にはめた。


「これって…」


「結婚指輪だ。やっと頼んでいたものができたんだ!

 ずっとAに渡したかった。

 俺の指輪、君がつけてはくれないか?」


 涙でぼやける目を凝らして…

 必死に彼の手元から指輪を受け取ると、

 差し出された彼の左手の薬指に

 ゆっくりと指輪をはめていく。

 
 その時、不思議なことに

 彼と出会ってから今日までの出来事が

 脳裏にいくつも浮かんできて、物語が紡がれていった。


「ほら、ひとつだけ間違いがあっただろう?

 俺はAの恋人ではなく、"夫"なのだから。」


 嬉しくて、幸せで、私は涙を流しながら頷いた。



「俺の花嫁さん。

 これからも永久(とわ)に互いを愛し、

 辛い時は寄り添って支え合い、

 共に歩むことを誓ってはくれないだろうか?」


「…はい。誓います。

 私の花婿さん。この魂がある限り、

 互いに励まし合い、どんな時も相手を信じて、

 愛することを誓いますか?」



 杏寿郎は私の腰をぐいっと引き寄せると、

 鼻先が触れそうなくらいに顔を近づけて微笑んだ。


「魂が消えようとも、俺は誓おう!

 A、俺は夢をひとつ叶えることができたぞ?

 以前、君は"叶えられる"とは言ってくれなかった夢だ。」


「夢?」


「Aと結婚すること。」



 

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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