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173.信じられない光景 ページ23

「"もしも禰󠄀豆子が

 人に襲いかかった場合は

 竈門炭治郎及びー

 鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します"」


 その言葉を聞くと、少年は涙を流した。


「…切腹をするから何だと言うのか。

 死にたいなら勝手に死にくされよ。

 何の保証にもなりはしません。」


「不死川の言う通りです!

 人を喰い殺せば取り返しがつかない!!

 殺された人は戻らない!!」


「確かにそうだね。

 人を襲わないという保証ができない。証明ができない。

 ただ、人を襲うということもまた証明ができない。

 禰󠄀豆子が2年以上もの間、

 人を喰わずにいるという事実があり、

 禰󠄀豆子のために3人の者の命がかけられている。


 これを否定するためには、否定する側も

 それ以上のものを差し出さなければならない。

 皆にその意思はあるかな?」


 命をかけてまでの想い…


「それに、私の剣士(こども)たちに

 伝えておくことがある。

 この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している。」


 何!?…鬼舞辻と!?


「…き…ぶつ…じ…鬼舞辻…無惨…」


 彼女が遭遇した鬼の始祖…!


 柱たちは矢継ぎ早に少年に向かって質問をした。

 俺の頭の中には彼女の言葉がグルグルと回っている。

 収拾のつかなくなった状況を、

 お館様は人差し指を口元に当てる動作だけで

 静まり返らせた。


 お館様の話によると、鬼舞辻はこの少年に向かって

 追手を放っているとか。

 また、鬼になった妹にも鬼舞辻にとって

 予想外の何かが起きているかもしれないとのこと。


 納得のいかない不死川は、鬼が入った箱に空いた穴へ

 自身の腕を傷つけて血を浴びせた。

 箱の中からは呻き声が聞こえてくる。

 ついに開けられた箱からは、

 口に竹筒を括り付けた少女が現れた。



 あれが…鬼。


「どうしたァ、鬼?

 来いよォ、欲しいだろうォ?」

 鬼の少女は拳に力を入れながら必死に耐えている様子だ。

 血を前にして我慢のできる鬼などそうはいない。

 ましてや2年間も血肉を喰らっていないとなると、

 尚更だろう。
 

「ウウウウ…んっ!」



 鬼は息を荒げながらそっぽを向いた。

 目の前に血まみれの腕を出されても、

 彼女が襲い掛かることはなかった。



 鬼が自分の意思で人を襲うをことをしなかった…?

174.いい心がけ→←172.一触即発



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (2022年11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (2022年11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (2022年7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (2022年7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2022年7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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