110.新たな任務 ページ10
店の奥へと入っていくと
縁台に背筋を伸ばして座り、
お菓子を嗜む杏寿郎の姿があった。
菓子切りをしまうと、
茶碗を手に取り、流れるような美しい所作でお茶を飲む。
「うむ！実に良い香りと風味だ！
ご馳走様でした！」
杏寿郎は店員の女性に挨拶をすると、
こちらに気がついたようで向かいに座るように示した。
「待たせてごめんなさい。
ただ今到着しました。」
「俺も少し前に来たところだ！
何も気にすることはない！」
杏寿郎は私から視線をずらして
相之助くんと花子さんを見ると、
再び私と目を合わせて口を開いた。
「Aのことは鎹鴉から聞いていたが、彼らは？」
「鬼殺隊、階級
鎹鴉からの伝達で、Aさんや炎柱と合流するようにと
命が下りました。」
相之助くん、庚に昇格したんだ。
彼の頑張りは同僚からよく耳にしていた。
「そうか！承知した。君は確か…」
「あ、改めまして…！
鬼殺隊、階級
あの…先日のご無礼をどうかお許しください…」
相之助くんは無論何のことだか分からず、
首を傾げてその様子を見ていた。
「うむ。案ずるな！今日は任務だからな！
よろしく頼むぞ、谷山少女！田所少年！」
きっと各々心中は思うことがあるだろう。
でも私情を任務に持ち込みすぎることは
時として相手を自分自身を危険な目に合わせてしまう。
「すみません、茶屋のお姉さん！
この3人にも先程と同じものを。」
「はーい！」
「え！？杏寿郎はもう飲み終わっているのに…いいの？」
向かい側に座る彼はいつだって余裕がある。
その余裕が時に羨ましく、また同時にずるくも思う。
「もちろんだ！ここまでの道中かなり疲れただろう。
休憩しながら鬼の情報を聞くとしよう！」
今回情報が入った鬼は満月の夜になると必ず市街に現れ、
人間のフリをして獲物を探し、
月が一等高く昇る頃に人を食べるというもの。
「まるで狼だな。」
「うん。私が集めた情報の中には、
その鬼の姿を見たという人もいたの。
黒髪で涼しそうな切長の目元、背丈は6尺と大きく、
手の甲に三角を描くように３つの黒子がある…とのこと。」
「そこまで分かっていれば探しやすいな。
A、ありがとう！」
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます！夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです！ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます！ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります！ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます！ (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2022年4月27日 20時
