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108.木漏れ日が降り注ぐ川辺 ページ8

 晴天の下、

 爽やかな風が吹き、木漏れ日が降り注ぐ。


「休息!休息!カアア!」



「和咲、ありがとう!

 杏寿郎とはあとどれくらいで合流できそう?」



「アト1時間!峠ノ茶屋デ落チ合ッテ!」




 新たな任務が入り、情報収集を終えた私は

 上官である杏寿郎に伝えるべく森を歩いていた。




「ふう…」




 川辺に抜けると、石に腰をかけて靴を脱ぎ、

 水の中へ足をつける。



 艶やかな緑色をした木の葉が

 その身を川の流れに任せて下っていく。


 せせらぎに耳を澄ませていると

 遠くから足音が近づいてきた。




「あ!Aさん!

 良かった!合流できました!」



「相之助くん?

 …それに花子さん?」



 そこに現れたのはかつて任務を共にした二人だった。



「ご無沙汰しております。

 鎹鴉からの伝達で、花子さんと共に

 Aさんと合流するように命じられました。」




 なるほど。




 花子さんの方へ視線を向けると、

 彼女はすぐに目を逸らしてしまった。



 なんだか嫌われてしまっているみたい…



 あの時の任務のようには…いかないよね。




「承知しました。

 
 この後、炎柱と合流する予定なの。

 今支度を整えるから少しだけ待っていてね。」




 これは任務だから…

 一度花子さんとのことは無にして集中しなければ。





 透明な川の水で顔を洗うと

 相之助くんが手ぬぐいを差し出してくれた。




「ありがとう。」



「いえ。」



 出会った頃より少し伸びた背と低くなった声。



 手ぬぐいで顔を拭いていると

 相之助くんがこちらを見ていることに気がつき、

 私が微笑み返すと、彼は顔を赤くして口元を手で押さえた。



「どうかした?」



「な、なんでもありません!!」



 今日は暑いから顔が火照ってたのかな?





 私は靴を履き、支度を整えると、

 花子さんの正面に立って彼女の手を握った。



「花子さん、お願いがあるの。

 これは任務だから…できれば私情は持ち込まずに

 私と協力して戦ってほしい。



 きょ…炎柱のことは私も譲る気はありません。

 でも、誰が誰を慕おうと自由だから…

 それにきっと機会は等しくあるものだと私は思う。



 だから、正々堂々と勝負しましょう!

 私は逃げも隠れもしません。」




「…随分と自信があるのですね。」




 

「自信なんて…ないよ。」









「え…?」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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