149.桜火乱舞 ページ49
この鬼…
横は360度見えても上下は甘い！！
このまま渾身の一撃で頸を斬る！！
炎の呼吸 奥義・舞
舞い散る桜は熱い火の粉のようで、
細かな斬撃が鬼の身体にいくつも入る。
「ギャアアア！！熱い！！くそっ！！」
私は鬼の頭上に跳ぶと、
回転を加えながら勢いよく刀を振り回した。
鬼の急所を斬り落とした私は刀を鞘に納めて弟に駆け寄る。
目を見開いて頬を紅潮させる彼の顔には、
恐怖という感情は消えていた。
「すごい…！！お姉ちゃん、すごい！！
かっこよかった！！！」
「A、ありがとう。本当にありがとう。
お前は爺さんと同じ、この村の、この家族の救世主だ！」
父はそう言うと私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「良かった…みんなが無事で良かった。」
生家から悲鳴が聞こえた時、
本当に生きた心地がしなかった。
でも、今はこうして家族の笑顔を見ることができている。
いつだって人を突き動かすのは"想い"だ。
"助けたい" "守りたい" "失いたくない"
それは大切な人たちとの未来を描いているから。
「お母さん、これをもっと早く家に持ってくれば良かった。」
「これは？」
「藤の花が入った香り袋。
鬼除けになるから玄関に飾っておいて。」
私が母の手に香り袋を握らせると、
鎹鴉の和咲が声を上げた。
「任務完了！カアア！」
「和咲！」
「A、そのお喋りする鴉は…？」
万佐子姉ちゃんが不思議そうに首を傾げながら聞いてきた。
「鎹鴉と言ってね、鬼殺隊の隊士となった者に
一羽ずつ支給される伝令係なの。大切な相棒かな。」
和咲は照れたようにもじもじと身体を揺する。
私にとっては家族も同然だからなあ。
本当に大切な相棒だよ。
「あ、そうだ。和咲、何か伝達があって来たの？」
和咲はしばらく頭を捻って考えた後に、
パッと翼を広げ、宙で飛びながら答えた。
「…杏寿郎ガコッチニ向ッテル！
伝エルノ忘レテタ…！！」
和咲は相変わらずだ。
おっちょこちょいなところがあるけど、
任務に関しては抜け目がないから良いのだが…
「了解。和咲、ありがとう。
この後、杏寿郎と約束をしているのを思い出した！
では、そろそろ行きます。」
「気をつけてな！煉獄くんによろしく伝えてくれ。」
「うん。おやすみなさい。」
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます！夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです！ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます！ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります！ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます！ (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2022年4月27日 20時
